明電舎は水処理施設や変電所などの作業拠点約100カ所のうち10カ所に「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE 安全管理支援ソリューション」を6月から導入した。同社と富士通が9月8日に発表した。
明電舎では、作業者の安全衛生体制強化の一貫として、暑さによる体調不良や転倒などの非常事態発生時に迅速に対応できるシステムづくりを検討していた。
今回採用された安全管理支援ソリューションは、建設業や製造業などの現場で作業者の状態を遠隔で把握することで見守り、安心して働ける職場づくりを支援するためのもの。
具体的には、作業者が装着した「バイタルセンシングバンド」で温湿度やパルスをセンシングし、センサアルゴリズムで熱ストレスレベルや身体負荷レベルを推定、推定結果が事前に設定した通知条件に該当した場合には現場責任者へアラームを通知する。
アラームを受けた現場責任者は、作業者に電話連絡を取り、体調の確認や休憩指示を行うなど、遠隔地からでも複数の作業者を同時に見守ることができる。経営層は蓄積されたデータから各現場の作業者の状況を総合的に把握し、働きやすい環境の中長期的な改善施策の検討にもつなげることが可能となる。
各拠点のイメージ図
明電舎と富士通は今後、導入からのデータを活用して、高い熱ストレスレベルを頻繁に生じる期間と生じにくい期間と比較、分析し、より安全な作業現場の実現に向けた施策を検討していくとしている。