都立3病院が共通の仮想基盤導入--多摩メディカル

NO BUDGET

2017-10-02 11:16

 都内最大級の医療拠点と言われれる多摩メディカル・キャンパス内の東京都立3病院(多摩総合医療センター、小児総合医療センター、神経病院)は、共通仮想基盤をそれぞれ導入、2016年3月から2017年3月にかけて稼働を開始した。構築を手掛けたネットワンシステムズが9月26日に発表した。

 多摩メディカル・キャンパスは、多摩地域における医療拠点として、約1600床の病床を有し、各医療施設の連携によって多岐にわたる高度で専門的な医療を提供する。中に立地する多摩総合医療センターと小児総合医療センターでは、救急医療・がん医療・周産期医療などを中心とした重症度の高い急性期医療を、神経病院では脳神経疾患や神経系難病に関する高度で専門的な医療を、それぞれ提供している。

 これら3病院では従来、診療部門システムごとに物理サーバが導入されていたため、投資・運用コスト及び障害発生時の冗長対策に課題を抱えていた。そこで今回、課題を解決するため、診療部門システム共通の仮想基盤を構築することにした。


 今回構築した共通仮想基盤は、診療部門システムを稼働させるため、安定性と可用性を重視したものとなっている。安定性の面では、ネットワンシステムズが約40種類におよぶ診療部門システムの各ベンダーから、システム稼働に必要な仮想マシンのCPU、メモリ、ディスク容量、ネットワーク帯域などのICTリソースを個別にヒアリングするとともに、豊富な仮想基盤の構築実績に基づく独自の設計ノウハウを組み合わせることで実現している。

 可用性については、物理サーバが障害などの異常で停止してしまう場合でも、仮想化技術を活用して、他の物理サーバ上で診療部門システムを自動的に再稼働させる仕組みで実現。また、従来は物理サーバのメンテナンスで定期的に診療部門システムを止めていたが、同じく仮想化技術を活用することで継続して利用することが可能になり、可用性の向上と運用効率化につながっている。

 そして今回、診療部門システム共通の基盤を整備したことで、セキュリティパッチやソフトウェアアップデートの個別管理から解放されるとともに、各種運用・設定ポリシが統合され、情報セキュリティの強化も実現した。

 なお、この共通仮想基盤は、ネットワンシステムズが運用・監視・保守を担い、24時間365日体制で障害の早期検知および迅速な保守対応を実現している。

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