テレワークを軸に野田聖子氏などが女性の就労支援を議論--マイクロソフト

大河原克行

2018-04-24 07:00

 今後の女性就労支援の取り組みや、日本マイクロソフトが実施している「ウーマンテレワーク体験プログラム」の実施報告などを行う「Empowered Woman JAPAN 2018」が4月17日、東京・霞ヶ関の霞山会館で開催された。主催は、Empowered Woman JAPAN 2018 実行委員会。日本マイクロソフトが運営事務局を務めた。


Empowered Woman JAPAN 2018実行委員会の松村茂委員長

 東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科教授であり、日本テレワーク学会の会長を務める、Empowered Woman JAPAN 2018の実行委員長を務める松村茂氏は「今ほど、テレワークという言葉が世間を賑わせていることはない。テレワークは、いつでも、どこでも、誰とでも、という3つの利点がある」と話す。高齢者や障害者、介護をしている人も働くことができ、自分らしく生きていける社会がテレワーク社会であり、誰もが社会に参画でき、1億総活躍、地方創生にもつながる。今回のイベントを通じて「自己実現をできる社会を考えていきたい」と述べた。


ITエバンジェリストの若宮正子氏

 講演では、「いつでも、どこでも、働き、学び、毎日を楽しむ人生」をテーマに、ITエバンジェリストの若宮正子氏が登壇。現在、82歳の若宮氏は、60歳になる直前にパソコン通信を開始。さらに、エクセルアートを教えているほか、81歳のときにはプログラミングを開始。雛人形を正しい位置に並べるiPhone向けゲームアプリ「hinadan」を開発した。

 「独居老人は孤独だが、ネットでつながることで寂しさがなくなる。また、Excelを学びたいと思ったときには、血圧の数字を集計してみたが、楽しくはない。そこでエクセルアートを開始し、いまでは若い人たちにエクセルアートを教えている」とする。プログラミングを開始したのは、スマホには、シニアに最適なアプリがないということがきっかけだったという。若い人に作ってほしいといったら、自分で作ってみたらどうかと言われた。そこで、hinadanを開発した。今は、日本語版のほか、英語版、中国語版も出ているという。このとき、プログラミングは、Skypeを使って学んだとする。

 また、若宮氏が世話役を行っているメロウ倶楽部には300人が参加。20年間に渡り、総会をネットワーク上で行っている。「総会の仕事は、テレワークと同じで、学習はテレスタディともいえる。いま、注目しているのはIoTである。最新技術を使って、シニアの自立や介護の支援、コミュニティの強化につながることに期待したい。テクノロジがあったからこそ今の私がある。テクノロジには、これからもお世話になるだろう」とした。


経済産業省 大臣官房参事官兼産業人材政策室長の伊藤禎則氏

認定NPO法人 育て上げネットの工藤啓理事長

 また、「テクノロジが創出する新たな学びと働く価値」をテーマに、経済産業省 大臣官房参事官兼産業人材政策室長の伊藤禎則氏と、認定NPO法人育て上げネットの工藤啓理事長が対談した。伊藤氏は、「2015年から働き方改革を担当しているが、ずっと違和感があった」と切り出す。それは、どうしても長時間労働の是正という話になってしまうことだという。働き方改革の本質は、多様な働き方の選択肢を提供することであり、それを実現するには、制度の改革とテクノロジの活用が必要という考えだ。「テクノロジがあるから、地方でも働けるようになる。人生100年時代を生き抜くには、前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力という、社会人基礎力を持つことが必要である」と主張した。

 工藤氏は「これまでの就労支援は、人とのコミュニケーションや人間関係の再構築が多かったが、プログラミングを学ぶなど、テクノロジを身につけることが増えている」と述べる。余暇や趣味と、テクノロジを組み合わせることで、収入につなげられるようになった。例えば、マンガのレビューを書いて、それで収入が得られるといったこともある。こうしたことも就職とは別の形の就労支援として提案しているする。企業説明会からインターンシップまでをオンラインで完結するといったことも始まっており、地方の人が、地方にいたまま、都市部の企業に就職したり、働いたりできることを紹介した。

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