Boxの最高経営責任者(CEO)Aaron Levie氏は筆者との最近のインタビューで、デジタル変革による変化が進む現代において、特にCIO向けのアドバイスを提供してくれた。
同氏とのインタビューから、Aaron氏がCIOに向けて披露した、洞察力あふれる考えに触れられるはずだ。インタビューの前編では、テクノロジと、未来の業務をめぐる重要な力学について語ってくれた。以下では、前編に続き、Levie氏にデジタル変革や文化の変化、テクノロジへの投資などの勘どころについて語ってもらった。
結論から述べると、適応可能でいるということは、CIOが業務に対する関与を適切なかたちで維持するうえでの鍵となる。
——新たなITスタックや文化、CIOの役割、CIOがこの世界に適合するところの間に存在する関連性について語ってもらえませんか?
これらの新しいテクノロジ群を、それが「Slack」であろうと、Facebookの「Workplace」であろうと、あるいは「Box」であろうと、どのように捉えるのか、またそれを多くの組織が推進しようとしている文化の変革といかに組み合わせるのかについて考える必要があります。これはしばしば、いくつかの個別の、あるいはまったく新しい企業イニシアティブからもたらされます。
これこそ、企業が取り組んでいるものである場合もあります。例えば、小売分野の企業が自社の小売環境のすべてとやり取りしようとしていると考えてください。新たな宣伝活動であれ、新たなポリシーであれ、文化面での新たな取り組みであれ、皆の歩調をそろえたいと思うでしょう。その場合、FacebookのWorkplaceなどが、情報を確実に拡散できるツールとして突如、脚光を浴びることになるわけです。
われわれが声をかけられるのはしばしば、企業が自社内外でのコラボレーションをさらに推し進める必要に迫られている場合です。パートナー企業のエコシステムが変化している場合もあります。また、加速させようとしている新たなパートナー関係がある場合もあります。望まれているのは、情報を社内外で共有する際の遅延を大きく低減させることです。Boxはその要求の実現に向けた支援を提供できるため、導入されるのです。
CIOは、文化をどのように変革すべきかや、企業のその文化的な変革に関係するイニシアティブとは何かをしっかり把握しておく必要があります。これは、例えばシリコンバレーに目を向ける際にしばしば見過ごされるもので、「そう、われわれはGoogleのようになりたい」という言葉が出てくるかもしれません。Googleのどの部分に倣おうとしているのかについて考えをめぐらせるのは重要です。GoogleをGoogleたらしめているのは職場における卓球台の存在ではありません。バレーボールでもありません。また、GoogleをGoogleたらしめているのは高級シェフでもありません。これらは福利厚生に分類されるものです。真の理由は、彼らの素晴らしいビジネスモデルにあるのです。