シスコシステムズは7月5日、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)と共同で、ICTを活用した効率的なイベント運営や新たなファンサービスの実現に向けて検討・推進していくと発表した。その取り組みの一貫として、7月から開始する乃木坂46の全国ツアーと8月中旬から展開を予定している個別握手会でシスコのテクノロジを導入する。
シスコによると、これまで日本のライブイベントにおけるネットワーク環境は会場に依存してた。イベントスタッフ間のコミュニケーションもその場で使用可能な機器や汎用のツールを使って提供されることが一般的でだった。そのため、会場によって接続性やパフォーマンスにばらつきがあり、品質の担保や管理が十分にできていなかった。
また、ネットワーク環境は照明や音響、電源と並んでライブイベントの運営に必須なインフラであるにもかかわらずIT技術者がいなかった。そのため、必ずしもそれを整備する体制や仕組みが確立できていないというのが日本のライブエンターテインメントにおける現状だった。
シスコは、米国で世界大手のコンサートプロモーターLive Nationのテクノロジパートナーとして、ネットワークを通じて会場やアーティスト、ファンの全てをつなぐことにより、これまでにない新たな顧客エクスペリエンスとビジネスモデルを実現しているという。こうした米国での経験とノウハウをもとに、上記の課題に対応するだけする。さらに、ICTを活用した効率的なイベント運営や新しいファンサービスを実現し、ソニー・ミュージックとともに、日本におけるエンターテインメントビジネスの変革を推進していく。
今回、その第一弾として実施する内容と導入するシスコのテクノロジは以下の通り。
乃木坂46真夏の全国ツアー2018
乃木坂46東京公演では、明治神宮球場と秩父宮ラグビー場でライブを同時開催するという特殊な環境において、シスコのインテリジェントかつフレキシブルなビデオコラボレーションシステム「Cisco Webex DX」「Cisco Webex Room」「Cisco Webex Board」などを組み合わせ、両会場の運営本部及びスタッフルーム間を常時接続する。これにより、あたかも同じ会議室にいるかのような環境を実現し、効率的なライブ運営をサポートする。
東京公演イメージ(出典:シスコ)
さらに、東京公演およびその後の地方公演においては、クラウド型のネットワークシステム「Cisco Meraki」を利用する。これにより、現場にIT担当者がいなくても簡単にネットワークの設定や管理ができ、品質の高いWi-Fiサービスが、円滑なスタッフ間コミュニケーションを実現する。
乃木坂46個別握手会
来場したファンが「Cisco Webex Board」のホワイトボード機能を使ってメンバーと手書きのメッセージ交換をするなど、新しいファンサービスを提供する。
個別握手会イメージ(出典:シスコ)