日立、東京海上日動、日本郵便などが「情報銀行」の実証実験

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2018-09-12 16:10

 日立製作所と日立コンサルティング、インフォメティス、東京海上日動火災保険(東京海上日動)、日本郵便、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムの6社は、「情報銀行」の実現に向けた実証実験を開始すると発表した。

 「情報銀行」は、個人あるいは事業者が保有する個人データを、本人の同意のもとで安全に収集・管理・提供する仕組み。事業者は、受け取ったデータを活用して個人のニーズに合ったサービスを提供することが可能になる。本人が情報銀行のシステム上でデータを提供する事業者を選ぶとともに、本人があらかじめ指定した条件などに基づいて情報銀行が事業者へデータ提供を行う。

 情報銀行には、データ利用の安全性・透明性を確保するため、セキュリティ対策のほか、事業者によるデータの利用履歴を確認できる仕組みなどが求められる。

 今回の実証実験では、情報銀行における個人データの収集・管理・提供の仕組みや個人データを活用したサービスの実現可能性を検証する。個人データとしては、性別や世帯構成等の一般的な個人データのほか、各家庭の電力使用量や個人の活動量データ、今後の普及が予想されるIoTに着目し、センサから生成されるデータも取り扱う。

実証実験のイメージ
実証実験のイメージ

 各社の役割は下記の通り。

 日立製作所:情報銀行事業者として、実証実験に参加する社員200人の募集と情報銀行システムの構築・運営を実施。また、参加者のデータを保有するデータ保有者として、参加者の活動量センサから得られる健康データ・収入データを本人の同意のもとで情報銀行に提供する。実証実験を通じて情報銀行の運用上の課題の抽出と解決策を検討するとともに、参加者へのアンケートを通じてデータ提供に対する受容性の分析などを行う。

 日立コンサルティング:情報銀行が個人・データ保有者・データ利用者との間で締結する契約書のひな型となるモデル約款(「情報信託機能の認定に係る指針ver1.0」において公開)の適切性、十分性などを検証し、認定基準の妥当性などについても検討する。

 インフォメティス:データ保有者として参加者の各家庭に電力センサを設置し、電力データの収集および情報銀行へのデータ提供を行う。

 東京海上日動:データ利用者として、情報銀行から提供されるデータを用い、家電向け保険・サービスの開発可能性を検討する。

 日本郵便:データ利用者として、情報銀行から提供されるデータを用い、在宅率に応じた宅配ルートの改善可能性を検討する。

 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム:データ利用者として、情報銀行から提供されるデータを用い、プロファイルに基づくウェブ広告の配信効果を検証する。

 

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