企業環境で問題になる可能性のあるアプリケーションの脆弱性トップ20

Charlie Osborne (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎 村上雅章 野崎裕子

2018-11-15 06:30

 MicrosoftやGoogleが提供しているソフトウェア製品には、企業のサービスやシステムに問題を発生させる可能性があると考えられている脆弱性が、数多く存在している。

 サイバーセキュリティ企業のTenableによれば、(アップデート内容や深刻度の指標に基づいて)CVE番号とスコアが割り当てられている脆弱性のうち、もっとも広く行き渡っているものは、パッチの適用や対策を行わない限り、企業の20%から30%に影響を及ぼす可能性がある。

 米国時間11月7日、同社は脆弱性に関する調査レポート「Tenable Vulnerability Intelligence Report」を発表した。このレポートによれば、もっとも広範囲の企業資産に影響を与える脆弱性は、「Microsoft .NET」および「Microsoft Office」、「Adobe Flash」、Oracleの「Java」のものだという。脆弱性を原因とする脅威全体のうち、約半分はAdobe Flashの脆弱性によるものであり、20%はMicrosoft Officeの脆弱性によるものだった。

 一方、影響範囲と深刻度が大きい個別の脆弱性を挙げるとすれば、1番影響が大きいのは、Microsoftのアプリケーションに存在する脆弱性CVE-2018-8202で、最大で32%の企業に影響を与えると考えられている。

 2018年に発見されたこの脆弱性は、.NETフレームワークに存在する、特権昇格を引き起こす可能性があるセキュリティホールだと説明されている。

 2番目は、「Google Chrome」に存在する脆弱性CVE-2018-6153だった。これは、Skiaの不適切な境界チェック処理に起因するスタックベースのバッファオーバーフローの脆弱性だ。攻撃者が被害者を誘導して、特別に作成されたウェブサイトを開かせることに成功すると、オーバーフローのバグを発生させ、任意のコードを実行させたり、システムをクラッシュさせたりすることができる。

 Tenableは、企業のシステムのうち30%が、このバグの影響を受ける可能性があると見積もっている。

 3番目に来るのは、2015年に発見された「Microsoft Interenet Explorer」に存在する脆弱性CVE-2015-6136だ。28%の企業に影響を及ぼす可能性があるとされるこの問題は、スクリプトエンジンのメモリ破損の脆弱性を原因としており、ユーザーが特別に作成されたウェブサイトを閲覧すると、リモートからコードが実行される可能性があると説明されている。

 企業に大きな影響を及ぼすと考えられている4番目の脆弱性は、Javaのコンポーネントに存在するCVE-2018-2938で、これは悪用されると特権昇格が発生する可能性があるバグだ。Tenableは、このセキュリティホールは最大で28%の企業に影響を及ぼすと見積もっている。

 5番目の脆弱性は、Microsoftのアプリケーションに見つかったものだ。.NETフレームワークに存在する脆弱性CVE-2018-1039が悪用されると、「Device Guard」のセキュリティ機能がバイパスされる可能性がある。このセキュリティホールは、最大で28%の企業に影響を与えるという。

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