海外コメンタリー

ギネスワールドレコーズが取り組むクラウド移行のアプローチ--責任者に聞く

Mark Samuels (ZDNET.com) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ)

2018-12-17 06:30

 クラウドへの移行で最良のアプローチは何か。Guinness World Records(GWR)のIT担当ディレクターであるRob Howe氏によると、非常に慎重に進めることだという。クラウド主導のデジタル変革に飛びつくのではなく、まず最高情報責任者(CIO)が業務について評価してパートナーを探す。それから、顧客に革新的サービスを提供するのにオンデマンドITがどういう形で役立つ可能性があるかを考えるべきだと同氏は考えている。

 「カギとなる要素を慎重に選び、インフラにもたらす必要がある変化や、移行時のソフトウェアの動作を理解してほしい。違いを理解し、把握することだ。すべてのシステムが簡単に移行できるわけではない。クラウドを、経営課題の万能な解決策と見なすべきではない」(Howe氏)

 Howe氏は2012年5月にGWRの社員となったが、最初の半年間はITに関して何も変えなかった。「計画すらしなかった。社内のさまざまな場で複数のチームと同席し、彼らの仕事のやり方を理解した。社内の各部署で人々が抱える日々の作業負荷などの状況を理解せずに変革など実行できない」(Howe氏)

 この慎重な戦略がすばらしい結果をもたらしてきたとHowe氏は言う。同氏は他のCIOに、デジタル変革に対して同様の統合的なアプローチを取るよう助言している。「組織の運営側に関与していなければ、いずれは暗礁に乗り上げてしまうだろう」(Howe氏)

 Howe氏は従業員と肩を並べて働くことで、SDLの記録管理プラットフォームやAsset Bankのデジタル資産管理システム、Salesforceの顧客関係管理(CRM)技術の導入などのデジタル変革に対する段階的なアプローチを主導してきた。

 GWRは変革プロセスの最終段階として、ビジネスクリティカルなITアーキテクチャの「Amazon Web Services」(AWS)プラットフォームへの移行を管理するにあたって、Ensonoを選択した。GWRは出版を行う組織からデジタルメディアエージェンシーへと事業の変革を進めているが、このプロジェクトは、GWRのITシステムでそうした変革を管理できるようにするものだ。

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