ヴイウエムウェアは4月3日、VMware vRealizeクラウド管理プラットフォームの機能強化を発表した。今回発表された製品は、「VMware vRealize Operations 7.5」「同Network Insight 4.1」「同Automation 7.6」「同Suite Lifecycle Manager 2.1」の4製品となる。
ヴイエムウェアのクラウド管理プラットフォーム製品の全体像（出典：VMware）
中核的な製品となるVMware vRealize Operations 7.5では、「継続的なパフォーマンスの最適化」「効率的なキャパシティ管理」「インテリジェントな修正」「統合型コンプライアンス」の4要素を「自動運用のための4つの鍵」と位置付け、それぞれに沿った形での具体的な機能拡張が種々盛り込まれている。
このほか、VMware vRealize Automation 7.6ではVMware NSX Data Centerとの統合のより一層の強化、VMware vRealize Network Insight 4.1ではKubernetes環境でのアプリケーションを中心としたセキュリティ対策とネットワークの可視性の強化、VMware vRealize Suite Lifecycle Manager 2.1ではVMware Cloud Foundationとの統合強化などが行われている。
概要を説明したマーケティング本部 チーフストラテジスト プロダクト＆ソリューション SDDC/Cloudの高橋洋介氏は、同社のクラウド管理プラットフォーム（Cloud Management Platform：CMP）が従来のオンプレミス環境向けソフトウェア製品（vRealize）と、クラウド環境でSaaSとして提供されるもの（VMware Cloud Services）の2本立てで展開されているといった状況を紹介した。
ヴイエムウェア マーケティング本部 チーフストラテジスト プロダクト＆ソリューション SDDC/Cloudの高橋洋介氏
同氏は、「中長期的にはSaaS型の比重が高まっていくと考えられる」としつつ、機器の詳細な稼働情報がクラウドに送られることに対する顧客企業の心理的抵抗感や、大量のログがクラウドに転送されることによるネットワーク帯域の消費といった問題が存在することから、特に詳細な運用管理機能を担うvRealize Operationsに関しては、「対応する機能がまだSaaSとしては提供されていない」といった現状を明かした。
vRealize Operationsのバージョンアップでの機能強化ポイント（出典：VMware）
なお、今回のvRealize Operationsのアップデートでは、アプリケーション単位での監視機能が新たに加わっている。以前は、「vRealize Hyperic」という製品でアプリケーション単位での監視機能が提供されていたものの、その後Hypericが提供されなくなっていたのに対し、ユーザーからの要望が高かったことを受けて改めてvRealize Operationsの標準機能として再度提供されることになったという。こうした対応は、ユーザーの声に耳を傾ける同社の姿勢の表われと言えそうだ。
