AWS、機械学習によるオンライン不正検出サービス「Fraud Detector」を一般提供

Asha Barbaschow (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-07-29 12:41

 Amazon Web Services(AWS)は、機械学習を利用した不正検知サービス「Amazon Fraud Detector」の一般提供を開始した。

 Amazon Fraud Detectorは、オンライン決済での不正やなりすまし、偽アカウントの作成、ポイント付与サービスアカウントやプロモーションコードの不正利用などの行為を、「ミリ秒単位」で素早く簡単に識別するフルマネージドサービスだ。

 このサービスを利用する際には、あらかじめ構築済みの機械学習モデルのテンプレートを選択し、過去の不正取引と問題のない取引の両方のイベントデータをアップロードして、機械学習モデルの構築・トレーニング・展開を行い、予測に基づいて処理を行う意思決定ロジックを作成するという手順を踏む。

 Amazon Fraud Detectorは、顧客が予測したい不正の種類に基づき、データの前処理を行い、アルゴリズムを選択し、モデルのトレーニングを行う。

 トレーニングされたモデルは非公開のフルマネージドAPIエンドポイントとして提供される。顧客がそのAPIに新しい顧客の活動情報(サインアップや新規購入など)を送信すると、リスクのスコアを含む不正リスクに関する情報が返される。顧客のアプリケーションは、そのレポートを受け取り、購入リクエストを受理する、内容を精査するために人間の担当者に回付するなどの対応を決定することになる。

 AWSの最高経営責任者(CEO)Andy Jassy氏は、12月に開催された「AWS re:Invent」でこのサービスを発表した際、機械学習は「信じられないほど役に立つ」が、多くの企業にとってこれを不正の検出に利用するのは難しいと語った。

 同氏は当時、「電子メールアドレスやIPアドレス、電話番号などの情報に加え、不正なトランザクションと問題のないトランザクションの情報を送れば、AWSがそのデータをあらかじめ構築済みのアルゴリズムで処理し、それぞれの顧客に合った個別のモデルを構築する」と説明し、「これは機械学習で不正行為を管理するためのまったく新しい方法だ」と述べていた。

 Amazon Fraud Detectorは米国時間7月28日から提供が開始されており、現時点で利用できるリージョンは米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)、アジアパシフィック(シンガポール)、アジアパシフィック(シドニー)となっている。数カ月以内に、さらに多くのリージョンで利用できるようになる予定だという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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