Microsoftは米国時間1月15日、サーバークラスターを管理するGUIツール「Windows Admin Center」のプレビュー版「Windows Admin Center Preview 2012」を公開したと発表した。
この新プレビュー版には、「Microsoft Azure」のログイン信頼性にまつわる問題の修正のほか、「Extension Manager」の改善、SPDYベースのHTTP/2ネットワークプロトコルのサポート、GPU管理ツール、セキュリティ機能、障害復旧関連の機能が含まれている。
また同社は、「Azure File Sync」の信頼性向上や、「ファイルとファイル共有」機能のバグフィックス、「Azure Stack HCI」クラスターをAzureに登録してWindows Admin Center内から診断データ設定を変更する機能を約束している。
さらにこのプレビュー版には、「Storage Migration Service」の2020年10月の累積更新プログラムで提供された新機能に対するサポートとユーザーインターフェースの変更が含まれている。ストレージの面ではレプリケーションの状態がステータスアイコンの隣に表示されるようになった。また、Azure Stack HCIのシステムインサイトも利用可能になっている。
これらに加えて、新たな仮想マシン(VM)を生成した際のネットワークセクションのアイソレーションモードや、VM向けのソフトウェア定義ネットワーク(SDN)の機能強化が実現されている。
また、サーバー上で稼働する仮想マシンにDDA(Discrete Device Assign)を利用してGPUを割り当て、管理するツールが追加された。ただしこのツールは、Azure Stack HCIを稼働させているユーザーのみが利用可能となっている。
さらにMicrosoftは、Windows Admin Centerの「セキュリティ」ツール内で、新たな「Secured-core」サーバー機能を利用可能にした。
そして今回のプレビュー版では、ネットワーク上のコンピューターに対するRDMA(Remote Direct Memory Access)のサポートも実現されている。これにより、他のコンピューターのプロセッサーやキャッシュ、OSを介在させることなくメモリー上のデータを交換できるようになる。
MicrosoftのBrandon LeBlanc氏は「Azure Stack HCIの顧客は、Windows Admin Centerの最新機能であるクラスター生成エクステンションを用いることで、RDMA対応のネットワークアダプターが持つ能力をフルに引き出せるようになる」と説明し、以下のように続けた。
「(RDMAを活用したクラスター生成の)ワークフローでは、サポートされているプロトコル(iWARPやRoCEv2)が自動的に検出され、帯域幅やトラフィックの優先順位に関する推奨設定が指針として与えられる」(LeBlanc氏)
さらに今回のリリースでは、ディザスターリカバリー(障害復旧)に向けた、自動フェイルオーバー機能を搭載したAzure Stack HCIのストレッチクラスターと、クラスター内でのファームウェアのインストールやドライバーのアップデートを容易にする新たなOEM製エクステンションも用意されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。