Googleは米国時間9月30日、第3世代「Intel Xeon Scalable」プロセッサー(開発コード名「Ice Lake」)に対応した仮想マシン(VM)「Google Compute Engine N2」をまもなく提供すると発表した。Xeon Scalable(Ice Lake)は、10nmプロセスを採用して製造されているIntelのサーバー向けプロセッサーだ。
提供:Google
Googleは、同日すぐに提供を開始するわけではないものの、Amazon、Microsoft、Oracleなどに続いて、Intelの最新世代Xeon Scalableチップをクラウドに搭載することになる。
Amazon Web Services(AWS)は8月に、Ice Lakeを搭載したインスタンスの一般提供を発表した。またMicrosoftも、Intelが4月にこの新しいデータセンター向けプロセッサーを発表した直後に、対応する「Azure Virtual Machines」のプレビュー提供を発表している。OracleもIntelの発表と合わせて、価格や提供時期について明らかにした。
Intelはその時、「クラウドサービスプロバイダー大手はすべて」、2021年にIce Lakeを搭載したクラウドサービスを提供する計画だと述べていた。AWSとMicrosoft Azureに次いで、3位を占めるGoogle Cloudが今回、第3世代Xeon Scalableプロセッサーを搭載する意向を正式に表明した。
Ice Lakeを搭載した新しいN2は、Intelの第2世代Xeon Scalable(「Cascade Lake」)プロセッサーを搭載した現行のN2と同価格となる。Googleによると、旧世代のものは、既存のN2確約利用割引を使うことで、割引が適用されるという。
Google Cloudは新たに、128基の仮想CPU(vCPU)と864GBのメモリーを搭載した汎用N2 VMを提供する。現在の汎用N2 VMは、最大80基の仮想vCPUを搭載している。
AWSは、「m6i.32xlarge」というIce Lake搭載インスタンスを用意している。128基のvCPUと512GiBのメモリーを搭載する。M6iインスタンスはほかにも、vCPUを2、4、8、16、32、48、64、96基搭載したものを選択できる。Microsoftの、Ice Lakeを搭載した汎用VMの「Dv5」シリーズは、最大96基のvCPUと384GBのメモリーを装備する。
Googleは、第1世代の汎用N1 VMからのアップグレードパスとして、N2カスタムマシンに搭載可能なvCPUを96基に引き上げるとしている。
同社はブログ記事で、Ice Lake Xeon Scalableプロセッサーは、「内蔵アクセラレーション、高度なセキュリティ機能、より大きなミッドレベルとラストレベルキャッシュを提供し、それらをより高いメモリー帯域幅を組み合わせることで、性能を大幅に向上できる」としている。
Intelは、Ice Lakeプロセッサーの重要な差別化要因として、「Software Guard Extensions(SGX)」を挙げている。これは、エンクレーブと呼ばれるメモリーのプライベート領域で、データの機密性と完全性を保護する役割を果たす。
Ice Lake搭載N2 VMは、一部の主要リージョンで年内に提供される見通しだ。
Googleは、「2021年第4四半期の早い時期にプレビュー版」を、「us-central1」「europe-west4」「asia-southeast1」リージョンで提供すると述べている。その他のリージョンでも、「今後数カ月間に」利用可能になるという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。