IBMは米国時間1月10日、「IBM Quantum Network」にLGエレクトロニクスが参加したと発表した。両社はIoTからデータ、人工知能(AI)、ロボティクスに至るまで、量子コンピューティングのさまざまな応用分野を探求していく。
LGエレクトロニクスは、IBMの量子コンピューティングシステムや専門家、オープンソースの量子情報ソフトウェア開発キット「Qiskit」にアクセスできるようになる。
LGエレクトロニクスの最高技術責任者(CTO)兼エグゼクティブバイスプレジデントであるByoung-Hoon Kim氏は、「われわれは当社のオープンイノベーション戦略に基づき、『IBM Quantum』を用いて、量子コンピューティング分野におけるコンピテンシーを培っていく計画だ」と述べた。「今後のビジネスで量子コンピューティングのテクノロジーを活用し、顧客がこれまでに経験したことのない価値を提供することを目指す」(Kim氏)
LGエレクトロニクスは、AIやコネクテッドカー、デジタル変革、IoT、ロボティクスといった応用分野での高度なデータ処理ツールとしての量子コンピューティングの利用方法を模索する計画だとしている。
また両社は、LGの従業員に「ワークフォーストレーニング」の機会を提供し、LGがブレークスルーの可能性を業界にいかに適用できるかを研究できるようにするという。
IBMの量子コンピューティング担当バイスプレジデントJay Gambetta氏は、韓国やこの地域を通じた量子コンピューティングにとって、今が刺激的な時だとし、「IBMとLGエレクトロニクスの提携により、LGエレクトロニクスは新興テクノロジーに関連付けられる新たなタイプの問題を探求できるようになるほか、韓国における量子能力を強化できるだろう」と述べた。
IBM Quantumのテクノロジーに取り組む顧客企業は、LG Electronics、Fortune 500、新興企業、学術機関や研究所など170を超える。IBMは11月、127キュービットを搭載した「Eagle」量子コンピューティングプロセッサーの概要を明らかにした。
IBMは、「量子コンピューティングは、コンピュテーションにおけるエキサイティングな進化だ。古典的コンピューターは0と1を表現するビット(2進桁)を用いて計算処理を実行するが、量子コンピューターは古典的コンピューターではまったく手に負えない問題を解決することを目的として、量子干渉や量子もつれといった量子力学における諸現象を利用するキュービットを用いて計算処理を実行する」とし、LGのオープンイノベーション戦略で取り組むような問題解決の新たなアプローチを模索する上で役立てられると述べている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。