オリンピックをネット上で見られるようになったわけ(その2)

arearesearch 2008-06-05 08:00:56

さて、前回のオリンピックをネット上で見られるようになったわけ(その1)に続いて、動画配信でIPアドレスの位置情報が使われている事例をご紹介します。

■動画配信分野でのIP Geolocation利用のきっかけとなったオリンピック

動画配信での地域制限は、オリンピックやワールドカップを初めとする世界的なスポーツイベントに端を発しているといえます。

2000年シドニーのパラリンピックでは、史上初のネット放映権を米国メディアが取得しました。

一方のシドニーオリンピックは、IOC(国際オリンピック委員会)が、ネット放送は配信地域の管理ができないためテレビ放送の放映権を侵害するとして、ネット放送を全面的に禁止していました。

その後、2002年のソルトレークオリンピックでは、ブロードバンドの普及に伴うネット放送を求める声の高まりと、ユーザーの位置を判別してネット配信の地域を制限できるIP Geolocation技術の精度の向上を視野に入れ、試験的なネット放送が行われました。

そして、この技術によってインターネット上でも配信地域の管理が可能であると判断された2004年のアテネオリンピックでは、多数のサイトからストリーミング配信されました。

2006年のトリノオリンピックでもインターネット放送が行われ、今年夏の北京オリンピックではNBCが2200時間分の映像をライブストリーミングするということです。

また、アメリカでのメジャーリーグの生中継も2002年秋からIP Geolocationによって可能になりました。メジャーリーグのテレビ放送には、数兆円単位の放映権が支払われています。MLB.comでのインターネット放送は、テレビ放送の契約を侵害しないよう、動画配信地域を厳密に管理する必要がありました。

例えば、NYヤンキースの生中継はマンハッタンでオンライン配信してはいけないなど、細かい地域制限があり、IP Geolocationによるユーザーの位置情報なくしては厳密な制限が不可能でした。

インターネット放送は、IOCやメジャーリーグに思わぬ利益を与えました。

その後、サッカーワールドカップやツール・ド・フランスなど、厳格に放送地域を管理する必要のある世界的なスポーツイベントが次々に参入しました。

この技術が、映画・ドラマ・国内のスポーツイベントなど、やはり配信地域に制限のあるインターネット放送を可能にしています。

■デジタル著作権管理に欠かせないIP Geolocation

動画配信技術の普及は目覚しいものがありますが、これからの動画配信に求められるのは質やサービスの向上になることが予想されます。

アメリカのあるオンライン動画配信サイトは、当初はスポーツ中継などを有料で提供していましたが、視聴者が増えるにつれて広告主も集まるようになり、現在は無料でサービスを提供しています。また、Googleも有料配信サービスを廃止し、無料サービスを提供しています。

今後のインターネット放送では、カメラの位置を自分の好みで選択できるなど、オンラインならではの様々な機能が増えていくかもしれません。高品質化という面では、2007年に入ってからコンテンツのハイビジョン配信が始まっており、AkamaiやLimelight Networksなどが次々にサービスを開始しています。

これまでは画質の悪さもあって黙認されていたデジタル著作権ですが、配信動画の高品質化を受けて、管理が厳格化されてゆく傾向にあります。実際、フランスでは2007年11月に違法コンテンツをダウンロードした個人にISPへの接続停止などの罰を科す法律が発表されたばかりです。またイギリス政府も、違法なファイルシェアリングを取り締まる法律の施行を考えていることを明らかにしています。

このようなオンライン動画配信の高機能化に伴う、デジタル著作権管理の厳格化の流れの中、配信地域を管理して著作権管理を行うIP Geolocationは、必要不可欠な存在です。

IP Geolocationデータの精度は契約のコンプライアンスには非常に重要です。高精度のIP Geolocationプロバイダであるサイバーエリアリサーチでは、専任の調査員が日々データ精度向上に努めています。

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サイバーエリアリサーチ株式会社 

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