「Oracle OpenWorld San Francisco 2005」開催中

btl 2005-09-21 19:28:44

 エンタープライズソフトウェア業界の統合を進めるOracleのCEO、Larry Ellisonは熱心なヨット愛好家として知られており、その挑戦的なビジネスのやり方から、海賊にも例えられる。サンフランシスコのモスコーニセンターで開催されているOracle OpenWorldでは、Ellisonの側近である共同社長のCharles Phillipsがキックオフのセレモニーをとり行った。モスコーニセンターの北口から基調講演の会場にかけては、Ellisonが支援するOracle/BMW Racingチームのハイテク・ヨットが展示されていた。わたしは、OracleがこのヨットにJ.D. Edwards、PeopleSoft、Retek、(買収の完了が待たれる)Siebelなど、Oracleがここ9カ月の間に買収した6社の企業や、「Fusion」と名称変更されたソフトウェア製品群の旗でもなびかせているのではないかと期待したのだが、この予測は見事に外れてしまった。


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 満員の聴衆を前に、Phillipsは、Oracleが、買収した企業を吸収しつつ、どのような戦略をとっていくのかを語った。Phillipsによると、3万5千人以上の顧客、パートナー、ベンダー、メディアが、拡張し続けるOracleの製品群について情報を集めようと、このイベントに参加しているという。

 顧客にとって一番のニュースは、同社がすでに所有している製品群について、持続的にサポートしていくと約束したこと、つまり、時間的な制限を設けずに支援するつもりだと明らかにしたことだ。同社の思いは、Oracleの新しい合言葉、「「Protect(保護)、Extend(拡張)、Evolve(進化)」にも表れている。「われわれは変革と革新を進めるが、同時に、既存の顧客が投資してきたものの保護も忘れない。また、拡張によって、すでに利用されているアプリケーションに対してさらなる価値をもたらすつもりだ。われわれは次世代の技術に製品群を対応させていくが、その作業は無理のないペースで行い、顧客の意向によって、すぐに使い始めたり、後になってから使い始めたりできるようにしていく」(Phillips)

 Phillipsが言う「次世代」の技術とは「Oracle Fusion Architecture(OFA)」のことだ。これは、すべてのアプリケーションをサービス指向のコンポーネントに分解するというものだ。同社にとって最大の競争相手であるSAPも同じ構想を練っており(もっとも、SAPの製品群のほうが単純だ)、この先も生き残ろうとする他の企業もみな同様の動きを示している。OFAは、モデル駆動型、サービス/イベント対応、標準準拠、情報集約型、グリッド対応、という特徴をもつとPhillipsは述べた。こうした要素で、SOAに対応するために徹底的にリエンジニアされたOracleのスタックは構成されている。

この大規模なリエンジニアリングの作業は「Project Fusion」と名づけられている。PhillipsはProject Fusionについて「コンポジットアプリケーションを構築できるように、すべての機能や特性の中で最も優れたものを融合させ、サービスに変換するものだ」と説明する。Oracleは、ビジネスフロー(プロセスのスキーマ)をサービスに変換し、Fusionサービスディレクトリとして利用できるようにする予定だ。個々のFusionアプリケーションは2007年より提供開始される。また、財務や会計などのアプリケーションスイートは2008年にリリースされる予定だ。Fusion製品の価格構成はまだ決定していないが、Phillipsによると、ビジネスフロー単位(特定のビジネスプロセスを実行するために複数のコンポーネントを組み合わせたもの)か、あるいはコンポーネント単位で販売されることになるだろうと言う。

 Oracleのオープン性とビジネスセンスの良さを証明するかのごとく、Phillipsは、FusionのアプリケーションがIBMのミドルウェア「WebSphere」とも連携すると述べた。実のところ、競合他社よりもいかにオープン標準に基づく技術を利用しているか、オープン標準の実装にいかに努力するつもりであるかをPhillipsや他のOracle幹部が熱く語っているのを見ると、まるでSunの幹部の話を聞いているように思えた。

 ただし、Phillipsは、FusionでDB2やMicrosoftのSQL Serverなど、複数データベースのサポートについては検討中であるとして、明言を避けた。Phillipsは、Project Fusion委員会の意見を取り入れ、「できれば1年以内に」決定を下すと語ったが、異なるデータベース同士の内部構成や最適化の方法についてはミドルウェアほど標準化が進んでいないことにも言及した。OracleがSiebelのOn DemandでサポートするデータベースからDB2を外すかどうかという質問について、Phillipsは回答を避けた。「オンデマンドサービスについてはまだ勉強不足だ。このサービスを残してもっと効率的に運営するかどうかは、Siebelを実際に所有する段階になってから再検討する」(Phillips)

 では最後に私の予測をここに記そう:Fusionアプリケーションやコンポーネントは、Oracleのデータベースとスムーズに連動するだろう。それから、Oracleはまだまだ企業買収を繰り返すだろう。

(Dan Farber)

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