Googleが小売業界に及ぼす影響について記したSteve Lohrの記事が、New York Timesに掲載されている。その中で、Lohrは、Wal-MartがGoogleを脅威と見なしていることを一例として挙げ、Accel Partnersのベンチャーキャピタリストであり、Wal-Martの取締役でもあるJim Breyerの言葉を紹介している。Breyerは、GoogleがWal-Martの店舗の近辺にある、もっと安く商品を売っているような場所を買い物客に知らせて、Wal-Martの事業を脅かす可能性があると述べている。買い物客にしてみれば、より有効な判断材料を手に入れられることは良いことなのだが。
Googleの脅威によって、Wal-MartとWalmart.comは、低価格と商品種類の豊富さ以外に、顧客をどうやって満足させ続けるかを考えなければならなくなった。Wal-Martは効率性を追求して無駄を省こうと、RFIDを使ったサプライチェーンシステムを導入したことを誇りに思っているかもしれないが、Googleは、何十億ものユーザーのために、スケーラブルで分散化された基盤を構築しつつあり、あらゆる種類のデバイスをターゲットとしたコンテンツやサービスを提供し始めている。さて、あなたなら、買い物をするときに最初にどこを訪れるだろうか。Wal-Martだろうか、それともGoogleだろうか(あるいはYahoo、MSN、その他のサイトだろうか)。
Googleは広告業界のあり方を一変させたほか、書籍検索の分野で議論を巻き起こしたり、あらゆる種類のマッシュアップや新規サービスを開発する場を一般ユーザーに提供したりしている。同社は、不動産売買からcraigslist、テレビ、通信に至るまで、あらゆる分野に影響を及ぼす可能性を秘めている。
いずれにしても、Googleは現在最も活気に溢れた勢いのある会社であり、世間での影響力も、同社自身の従業員数も着実に伸び続けている--これだけは確実に言えることである。成熟した企業や新進企業が描く将来のビジネスプランは、デジタル化されたライフスタイルやインターネットの進化による影響を受ける。こうした状況に陥ることをYahooやMicrosoftはひたすら恐れている。
ウェブの世界における大手企業が、膨大な量のコンテンツを集め、個人やグループユーザーの行動パターンや嗜好に関する情報を収集/利用し、検索の範囲や質を改善していったとしよう。そうなると、商取引の世界は、マネジメントコンサルタントJohn Hagelの言葉を借りれば、「プッシュ」より「プル」型に移行していくだろう:
20世紀全体を通して、組織はリソースを最大限に活用するための非常に効率的なアプローチを、たくさん完成させた。これらのアプローチは、細部こそ異なるが、ある共通点を持っている。それは、最も大きなニーズが見込まれる分野に前もってリソースを「プッシュ」することだ。
ところが、ここ10年の間に、リソースを最大限に活用するための新しいモデルが出現した。この新しいアプローチは、ユーザーに向けてリソースを「プッシュ」するのではなく、ユーザーに「プル」させるものだった。ここでは、ニーズが発生した時点でユーザー自身が適切なリソースを模索/発見/アクセスできるようにするための土台を作り出すことに焦点が当てられている。
プル指向の世界では、ネットワーク全体に知識が漂うようになり、ユーザーの時間と注目を獲得することが、重視されるようになる。こういうことを従来のブリック&モルタルの店舗で行うのは、かなり難しいだろう。
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
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