ブログスタートにあたって

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2005-05-31 23:00:00

ZDNetの西田さんから、ブログ開始日の連絡を受けたとき、私は丁度サンフランシスコで「ガートナー・シンポジウム 2005」に参加していた(といっても、暗いカンファレンスルームの中で時差ぼけに苦しむ日々であったが)。

そのシンポジウムでは、30のテーマに分類されたトラックが同時進行で何本も走る。朝8時スタートで、月曜から木曜まで。全130セッションである。今年のメインテーマは「Conquering Complexity」。複雑なのはむしろセッション構成だなどと思ってしまうが、もちろんガートナーは真剣そのもの。

ITのキーワードだけを辿れば、世の中はむしろComplexityからSimplicityへ向かっているはずだ。アウトソーシングの進展は、IT部門のオペレーションをより単純にし、Webサービスはインターフェースを標準化してアプリケーション連携を容易にする。

しかし、ガートナーがComplexityをあえてテーマとして取り上げるのには訳がある。2004年を振り返ってみれば、大型のアウトソーシング契約にキャンセルが相次ぎ、選択的アウトソーシングというテーマがクローズアップされた。また、これはシンポジウムでも議論されていたが、標準化を指向するWebサービスの仕様そのものが複雑化してやっかいなものになりつつある。つまり、またしてもITは、「すべてを簡単に」と言いながらものごとを「より一層複雑に」して、ユーザー企業の課題を膨らませつつあるのかもしれない。

ただし、あるガートナーのアナリストが言っていた。複雑さそのものが問題なのではなく、それをコントロールできるか否かが問題であると。イノベーションのスピードが速ければ速いほど、ものごとは急速に複雑化する。しかし、それも俯瞰すれば何らかの秩序が見出され、コントロールする術も見つかるものである。

さて、このブログについてであるが、IT関連のニュースを取り上げながら、その「複雑化」するエンタープライズ・コンピューティングの世界を読み解き、それらが持つユーザー企業あるいはIT企業にとってのインプリケーションに迫っていきたいと思う。

ブログという形式を取る以上、様々な方とのコミュニケーションを通じて情報の流れの1結節点として知の活性化に資することが出来ればと願っている。最後に、このような貴重な場を提供して下さったInfoteriaの江島さんとZDNetの西田さんに御礼を申し上げて、今回のエントリは終わりとしたい。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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