Solarisのオープンソース化は成功するか

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2005-06-15 00:24:03

サンがついにSolarisのオープンソース化に踏み切った。UNIXサーバーの市場は、LINUXがここまで勢力を拡大する以前から、Windowsサーバーに押され気味であり、同市場でのメインプレーヤーであるIBM/HP/SUNは限られた市場での戦いを強いられていた。HPがプロセッサーにIteniumを採用したときなどは、SUNもIBMも自社プロダクトへのマイグレーションを促すための戦術を駆使したのは記憶に新しいところである。

しかし、3社の中でも最も苦境に立たされてきたのはSUNである。HPにはプリンターがありPCもある。IBMの主力事業は今やサービス部門である。それに対してSUNはサーバー製品への依存度が高く、サーバー製品の不調を他のビジネスポートフォリオで補うことが出来ない。それゆえ、サーバー市場そのものの苦境はSUNの行動を他社に比して先鋭化させる。

背景にある戦略

Reutersの報じるところによると、Solarisのオープンソース化の背景にある戦略としてSUNのCOOであるJonathan Schwartzは電話インタビューで以下のように語ったという。

"The more people who run Unix and Solaris and open Solaris, the larger the opportunity is to sell the hardware, infrastructure and services necessary to put it into deployment,"

Solarisがオープンソース化されることで利用者が増え、それが関連製品の売上げに繋がることを期待しているということである。オープンソース・コミュニティによって開発されるLINUXが徐々にシェアを広げるなか、SUNがここまで熟成させてきたSolarisをオープンソース化することにより、その動きに歯止めをかけようということである。果たしてその戦略はうまくいくであろうか?

戦略の危うさ

戦略遂行における難しさはコミュニティの運営に象徴される。Internetnews.comは以下のように報じている。

The company has not released details on how developers outside Sun can make contributions to the source code. For the time being, OpenSolaris will be developed under a Sun software application called Teamware, similar to the Free Software Foundation's Concurrent Versions System (CVS).

ソースコードがオープンになったとして、それを発展させるために開発者のコミュニティがどのように貢献するべきなのか、未だ明確ではないという。これはオープンソース化の活用方法の難しさを物語っている。かつてPCの世界でIBMがアーキテクチャーを公開したとき、そのコントロールを失って競合の参入を許してしまったように、ソースコードも公開することによって自らのコントロールを失えば、収益機会を大幅に減ずることとなりかねない。それゆえに、開発者コミュニティとの付き合いには慎重にならざるを得ない。

コミュニティーの活性化とオープンソースに対する一定の主導権を両立させる必要があるのだ。

LINUX陣営の危うさ

一方で、LINUX陣営もIBMを始めとする大手ベンダーの影響力が強まっていることが指摘されている。中には、LINUXのオープンソース・コミュニティーが大手ベンダーによって搾取されているという論調もある。こうした動きは、LINUXの開発者コミュニティーにネガティブな影響を与えることになるだろう。そうしたなか、SUNのオープンソース化がそのカウンターとして魅力的な役割を演出できれば面白いことになるかもしれない。

オープンソースの動きが基盤ソフトから業務アプリケーションへも広がる中、SUNがオープンソースにどのように取り組み、競合ベンダーやオープンソース・コミュニティがどのように反応するかは、今後も注目されるところである。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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