IT部門死亡説

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2005-10-24 01:24:58

CIOマガジンが米国オーランドで開催されたガートナー・シンポジウムから、こんなアナリストの予測を報じている。「2011年までにIT部門のうち一割は消滅する」と。英語では"One in Ten IT Departments Dead by 2011"ときつい表現を使っているので、今回のタイトルには「死亡説」なんていう言葉を使ってみた。

重要だからこそ不要

面白いのは、記事の中でも以下の部分だろう。

Technology may end up being too important to be left to techies, Gartner said, and business executives may end up managing it as part of their regular roles.

つまり、ITがあまりに経営にとって重要な要素となってしまったために、技術者に任せておくわけにはいかなくなった。故に、テクノロジーをIT部門という聖域ではなく、よりビジネスに近いところへと引き付けておく必要性が高まったと。

変わり行くITスキル

インターネット・バブル以降、ビジネス戦略とIT戦略を一致させよという議論は盛んに行われているが、今回のIT部門不要論は、それに加えてITスキルのコモディティ化を絡めている。

As technology skills are commodified, skills involving information, process and business will become more important, and the number of staff dealing with these issues will double, Gartner predicts.

故に、コモディティ化したスキルは外部へアウトソースされることになるが、よりビジネスに近いエリアのスキルを持つ人材への必要度が増すとガートナーは言う。しかし、全体ではおよそ20パーセントの人員は不要となり、およそ10%のIT部門は消滅するという。あるいは、IT部門はITとビジネスを繋げる役割へと変質すると言ったほうが良いのかもしれない。ガートナーのアナリストはこんな言い方をしている。

"When mature, it may no longer be identified as an IT organization."

その時IT業界は

今回の記事にはITベンダー側についてのコメントはない。しかし、IT業界がテクノロジーの革新をいくら議論しても、エンタープライズ・ユーザーの経営判断は、その熱狂には最早そう簡単に乗ってくれないのは間違い無さそうである。

アナリストの分析を素直に受け取れば、ITベンダーは、ITのうちコモディティ化した部分を引き受けるのか、あるいは、よりビジネスに近い、もはやITのみでは括れない領域へ向かってゆくのか、という選択肢しかない。しかし、第三の選択肢として、企業がIT部門を再度拡大したくなるようなテクノロジーのブレークスルーを提示するということもあるだろう。しかし、今回はテクノロジーの視点ではなく、ビジネスの視点で。

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