前回のエントリーで書いた通り、MySQLは、最新版の機能アップで商用データベースへ近づくと同時に、戦術面でもエンタープライズっぽい振る舞いを見せた。すると、メジャーな商用データベースは、皆そのケンカを買ったようである。
商用データベース無償化の動き
ZDNetの報じるところによると、Oracleは11月1日にOracle 10g Express Editionのベータ版をリリースし、これは機能限定であるものの無償で公開されている。また、10月には既にIBMがDB2の無償版を公開済で、MicrosoftもSQL Serverの無償版を11月に出荷する予定であると言う。そして、Oracleは今回の無償版リリースについて以下のように表明している(ZDNet)。
Oracleのサーバ技術部門シニアバイスプレジデントAndrew Mendelsohnは、今回の新たなローエンド製品の発表は、無料のオープンソース製品と対抗していくために行うものだと明言した。
つまり、オープンソースに売られたケンカを買ったわけだ。ローエンドにおいては、オープンソースが機能面で商用データベースに迫りつつあり、もはや機能的な付加価値でライセンス料をもらうことが困難になりつつあるということである。そこで、已む無く値段はオープンソースに合わせてみたわけだ。
データベースの価値はどこに?
しかし、これではMySQLもOracleもDB2もSQLServerも、みんな無償で何ら差別化になっていない。もしどれも無償なら、どれを使うだろうか。データベースとは、それ自体で価値を持つものではなく、データベースを核としたアプリケーションが存在してこそ価値がでるものである。そう考えると、同じ無償のデータベースであっても、アプリケーションを開発するためのツールやミドルウェアが多かったり、あるいはそのデータベースで稼動するパッケージソフトが多かったりするものの方が良い。
そうした観点では、長くエンタープライズ・ユースの世界で生き残ってきた商用データベースの方がオープンソース・データベースに一日の長があり、無償にさえすれば最終的には勝てるだろうという算段もあるかと思う。しかし、MySQLのシェアが高まればMySQL対応のパッケージソフトが増えるのも必定であり、商用データベースの優位も永遠に続くものではない。
Oracleのジレンマ
その点、業務パッケージベンダーを買収するOracleの戦略は、Oracleデータベースの価値を高めるという点において、自らの優位性を強固にするものであると言える。しかし、それはデータベース・ベンダーとしてのOracleとしてである。
さて、ここでまたOracleのジレンマとでもいうべき課題にぶつかる。Oracleは、買収した業務アプリケーションが他社データベースをサポートし続けるのを許すのかどうか、そして更にはそれがオープンソース・データベースに拡張されることを許すのかどうか。
今回のケンカは買ったものの、それが本気なのかどうかはまだ判らない。
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
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