Seasarとは、沖縄の方言で「狛犬」のことだそうである。また、Seasarとは、国産オープンソースのJAVA開発フレームワークの名称でもある。チーフコミッターである比嘉康雄が沖縄出身であることによる。ISIDとして、このオープンソースの商用サポートを開始することとしたのだが、SIベンダーとしてオープンソース関連ビジネスを手掛けることは、容易なことではない。容易でないというのは、それを実行すること以上に、その意味を整理するという点においてである。
前回取り上げたトピックは、オープンソース・データベースのMySQLに対抗して、OracleやMicrosoftなどの大手ソフトウェアベンダーが無償版のデータベースの提供を開始したというものであった。つまり、ソフトウェア・ベンダーにとってオープンソースとは、これまでのビジネスモデルを脅かす破壊者と位置づけることができる。純粋にオープンソースをビジネスの中心として設立された企業は別であるが、既存のライセンス販売ビジネスを持つソフトウェア・ベンダーが、オープンソース・ビジネスを手掛けるには、二つのビジネスモデルの矛盾を解消する必要がある。
一方、オープンソースが、それを利用するユーザーコミュニティーによって開発されるものであるならば、それは顧客志向の究極形態であると考えられる。そして、Webを介したコラボレーションが可能なソフトウェア開発という世界においては、その究極の顧客指向が実現されてしまうのである。そうした状況の中でプロダクト・アウト型のビジネスを継続し続けることは難しい。
しかしながら、全てのソフトウェア領域においてユーザーが自ら開発することを望んでいるというわけでもない。ボランティアベースで開発されるオープンソースにおいて、開発を進捗させるだけのリソースを得られる領域というのは、より汎用性の高いものに限られてくるだろう。とすれば、オープンソースと商用ライセンスの適切なバランスというものがあるはずだ。逆に言えば、そのバランス点に到達するまでは、オープンソースの勢いが止まることはないと考えられる。
つまり、ソフトウェアベンダーが、顧客ビジネスの支援をミッションに掲げるならば、オープンソースと商用ライセンスとの適切なバランス点を目指すべきだと考える。そして、オープンソースの商用サポートというのは、オープンソースが企業によって利用されやすい環境を作るための活動であり、オープンソースの発展に資するものだと考えている。私は必ずしも全てがオープンソースとなるべきとは思わないし、また、商用サポートによってオープンソース開発の方向性そのものに影響を与えるべきではないと考えている。
さて、Seasarの面白い点は、タイトルにある通り、その実力が世界レベルにあるという点である。実際に、海外からの注目も高く、ドキュメントの英語化も間もなく完了する予定である。Seasarと共に世界を目指す、というのも、実は今回取り組んでみたことの動機の一つだったりもするのである。
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