今、Oracleのホームページを見ると"Oracle Database: Still #1"と真中に大きく表示されている。これは、Intelligent Enterprise誌とDM Review誌による読者投票に触れたものであるが、"Still"という表現がちょっと気に掛かる。余計な勘繰りかもしれないが、「もうデータベース・ビジネスは主軸じゃないけど、それでもまだ一番なんだよね」っていう雰囲気が漂うのである。
そして決算発表
15日に発表されたOracleの第2四半期決算発表に関し、Information Week誌は、未だデータベース関連の収入が他のビジネスラインの収入を上回っていることを報じている。
一方で、同誌によると、データベース関連の新規ライセンス収入の伸びが5%であるのに対し、アプリケーション関連の新規ライセンス収入の伸びが26%に達しているという。やはり、数字上でも成長エンジンは切り替わりつつあるのだ。
他社製品のサポートも開始
そういえば、12月7日にZDNetが報じていたOracleの統合管理ツールに関するニュースは、その最新版がOracle製品だけではなく、BEAやIBM製品もサポートするというものであった。計画の中にはDB2やSQLServerのサポートも含まれているとのことだが、他社データベースをサポートするという発想は、これまでには考えられないことである。
一方で、PeopleSoftのような買収した他社製品において、Oracle以外のデータベース・サポートを継続するか否かの議論があるが、既に自社製品において踏み出した足を元に戻すことは出来ないだろう。
エントリーバージョンの無償化
しかし、一方でデータベース・ビジネスにおけるガードが緩んだわけではない。MySQLの攻勢に対しては、Innobaseの買収により牽制を掛け、エントリーバージョンの無償化にも踏み切っている。そして何にも増して、Oracleのデータベース市場における優位は今も圧倒的なのである。
ルビコンを渡ったか
それだけに、未だに優位を保ち、かつ収入の過半を稼ぎ出すデータベース・ビジネスを犠牲にしてアプリケーション・ビジネスへ軸足を移すのは容易ではない。一見、アプリケーションとデータベースの双方に力を入れているようにも見えるが、"Still #1"という言葉は、向こう岸へ渡ってしまった者にしか口に出来ないのである。
仮に後戻りしようと思っても、一度渡ってしまったら二度と元の状態には戻れないのがルビコンである。Sunはオープン化によって、同じ場所にありながら、ビジネスモデルの革新を目指している。一方、Oracleは、既に存在するビジネスモデルの中で、その軸足を移動させることで持続的な成長を目指している。共通するのは、もう元には戻れないという危機感と大胆さである。
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
ブログ終了のお知らせと、筆者の新コラム連載の開始について
このブログの更新は終了しました。今後は編集特集「エンタープライズトレンドの読み方」をお読みください。
- 前のエントリー: McNealyは8枚刃
- 次のエントリー: マイクロソフトのクリスマス・プレゼント - Office Open XML
「エンタープライズニュースの読み方」 のバックナンバー
-
編集特集へ移動のお知らせ
いつもZDNet Japanをご愛読いただき、ありがとうございます。当ブログの更新は終了しております。今後はブログの執筆をしていただいておりました飯田様の執筆による 編集特集「エンタープライズト レンド の読み... -
「スーパーマーケット・バンキング」の逆襲と「青物」の定義
-
A380に乗ってみた
-
上達しない英語術
-
「金融民主主義」が金融サービスの向上を促す
- エンタープライズニュースの読み方 一覧へ »
-
新型インフルエンザ等のパンデミック時に対応できるユーザー認証のあり方と仕組み
- 日本モバイルインターネット端末市場分析 〜2008〜2012年のMID及びスマートフォン...
- パンデミックでも社員を守り業務継続を支援する
- 圧倒的なWeb会議市場シェアを誇る「nice to meet you」のご紹介
- iPhoneをビジネスで活用する時代へ〜ビジネス&モバイルのミライ〜
- SOA による製造ラインとバックエンド レガシー メインフレームの統合
- 異種データベースサーバ統合による戦略的コスト削減のススメ
- ビジネス コンポーネント アーキテクチャ -- SOA と EDA の統一 --
- 企業のITコストを削減 HP ProLiant Generation 6
- 最上級のブレードがこれだ!導入実績豊富な製品で構成され、仮想化環境に最適化し...
企画特集
-
マネジメントの「コラム」と「コネタ」
今日のキーパーソンは誰? -
大丈夫?あなたの会社のセキュリティ対策
中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティを考える -
―エン・ジャパン厳選求人☆毎週更新―
ハンゲームの社長が語る・人材とサービスの在り方 -
100万円で実現!中小企業の情報漏えい対策
中小企業の課題!?セキュリティ管理者不在でも大丈夫 -
最大32個のセンサーが電力を徹底管理!
『省エネ性能』追求HPx86サーバー徹底レビュー -
【最終警告】パンデミック対策特集
サービス品質を保証するためのリスクマネジメントとは -
求めているのはSIerのエンジニア!!
連載インタビュー第1話、グリーCTO藤本氏が語る -
企業ITシステムの企画、構築、運用のイロハ
戦略的なITシステムのために、今考えるべきポイント -
進むストレージ環境の見直し
仮想環境に最適なiSCSIストレージLeftHandのメリット -
J-SOX法制定により内部統制の整備が急務に
重要性高まるActive Directoryの課題と対処法を公開中 -
VMware OEMベンダー6社を独占インタビュー
IBM、HP、NEC、DELL、日立、富士通のVMwareの取り組み -
急増するオンライン犯罪への解決策!
オンラインサービス保護ソリューション -
情報漏えいを食い止める!
証跡としての信用力を高めるメールアーカイブとは?
-
9. 出荷準備はOK?
この3分間のビデオは、あなたがソフトウェアを出荷する前に、データレー... -
10. Parallel Debugging Extensions
この3分間のビデオは、並列アプリケーション内のそうでなければ発見しが...
新着企業動向
-
「韓国ポイント市場の展望と課題」出版
データリソース -
TIS・日本HP・ネクスウェイ共催 “現場力”最大化を見据えた“攻めのIT投資”事例セミナー
ネクスウェイ -
「大江戸セキュリティくろすわーど」好評につき期間延長しました!(11/15まで)
日立システムアンドサービス -
Dojo(道場)
テンダ - 企業動向一覧へ»
飯田哲夫(Tetsuo Iida)
