CNETの記事でWikinewsが取り上げられている。Wikipediaをご存知の方なら容易に想像がつくと思うが、Wikinewsとは、誰もが編集に参加できるオンライン・ニュースである。記事によれば、ハリケーン・カトリーナの被害全容を伝えるに際し、Wikinewsは、所謂ニュースメディアよりも優れていたという。我々はネットワーク化された個人と、優れた報道機関の関係をどう解釈すれば良いのだろう?
企業の在り方
昨年末、ZDNetの年末特集コラムで、2005年は共創の年になると書いた。つまり、ネットワーク化された社会においては、そのネットワーク化された現状を受け入れ、ネットワーク化されているが故に生み出せるものを生み出さなければ、企業もオンライン上のコミュニティも、その存在意義を失うだろうというような話だ。
しかし、ネットワーク化の進展は、企業よりもまずは個人を中心に進んでいると見ていい。企業内でのコミュニケーション以上に、SNSやブログを通じた個人間の連携の方が先行している。企業内でブログを導入したり、あるいはSNSの仕組を導入する動きは、その後に続いている。
それで良いのか
ここで違和感を感じてしまうのが、企業内と企業外という区分である。当然、企業には機密情報があり、ガバナンス強化は必達事項である。それ故に、内部のコミュニケーションと外部のコミュニケーションとの間には、明確な線が引かれてしまう。
もちろん個々人は、SNSにも参加しているし、様々な人たちとメール交換しているし、ブログによる情報連携も図っているだろう。でも、そこで得られたナレッジが企業の血として流れなければ、企業のビジネスに資するものとはならない。
潮の流れの良いところ
魚は潮の流れの良いところに棲むという。個々人のネットワーク化と協働作業のプラットフォームが整いつつある中、企業はその流れを阻害する存在である限り、そこにビジネスが集まることもないだろう。むしろ、内外の潮の流れを良くすることで、ビジネスの活性化が促される。
ここで言いたいのは、単に情報開示を強化するとか、顧客の声に耳を傾ける、というようなことではない。こうした企業の枠組みに囚われた状況を踏み越えて、企業の境界線を敢えて曖昧にすることで逆に企業としての価値を高められるのではないか、ということだ。
そのためには、今個々人が張り巡らしているネットワークに企業そのものを埋め込んでいく決断が必要だ。SNSやブログから社内向け、社外向けという区分を無くし、社内と社外を繋ぐツールとして位置づける。
すると、ますます「企業とは何だろう?」という疑問が膨らんでしまうが、冒頭のWikinews、そしてもちろんソフトウェアのビジネスにも見られる通り、企業ではないものが企業のビジネスに取って代わりつつあるという現状を冷静に見つめなくてはならない。
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
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