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企業はどこまでオープンソースへ関わるべきか

飯田哲夫(Tetsuo Iida)   2006年3月21日

オープンソースとビジネスの関わりは、頭で理解しても疑問が尽きない領域である。とくに、ここ最近のエントリーで取り上げた、企業によるオープンソースそのものへの関与が気になっている。もちろん自分でも取り組んでいることなので、それを否定するつもりはないのだが、果たしてどこまでが良くてどこからが駄目なのか。

みんなの意見

そんな折、『ウェブ進化論』で紹介されていた『「みんなの意見」は案外正しい』を読んでいて、ちょっとヒントが得られたような気がした。まだ最後まで読んでいないので、書評じみたことは書けないが、本書では集団が正しい意見をもたらすにはいくつかの条件があると指摘する。それは、「多様性」「独立性」「分散性」「集約性」だという。つまりは、多様なものが、その多様性を維持しつつ(独立と分散)、最終的な意見が纏められたとき、その結果が正しくなる可能性が高いのだという。

本書でも組織における多様性の重要さについて触れているが、優秀な人だけを集めた均質な組織より、優秀な人も含めて多様な人材を集めた組織の方が、正しい判断力を持つという。こうしたことは、グループワークを重んずるビジネススクールなどでも、実体験として体感できるものである。

オープンソースだと

さて、それをオープンソースへ当てはめると、開発者達の多様なスキルがオープンソース・ソフトウェアを高品質なものとしていく。しかし、そこはオープンソース万能というわけではなく、開発者達が一定の独立性を保ち、その開発の方向性をきちんと集約していくようなリーダーが必要となるわけだ。

それにしても、オンライン上での開発というのが、開発者たちに一定の距離を置かせるがゆえに、「独立性」と「分散性」を担保しているあたり、実にオープンソースの開発というのは集合の知をプラスに向かわせやすい環境にあると言えるだろう。

企業が入ってくると

さて、そこへ企業が意思を持つ開発者として入り込んできたらどうなるのだろう。恐らく、多様性の一翼を担う限りにおいて、企業の参画というのもオープンソースへプラスに働く。Linuxのように、複数の企業が参加してくると、それはそれで1社の力が弱められて、更に多様性に貢献することとなる。

一方、特定の企業が多様性を阻害するほどまでにオープンソースの方向性を左右することになると、オープンソースとしての集団の知恵は働かなくなる。そのときが、オープンソースがオープンソースであることをやめるときなのだろう。

さて、明日はセミナー

さて、22日(水)は、サン・マイクロシステムズ主催の「2.0時代のテクノロジー・トレンド・セミナー」に参加して、「2.0時代のシステム・インテグレーション」というテーマで話させて頂く予定です。「2.0」をエンタープライズの視点で議論するセミナーであり、誰も答えを持っていないテーマへの挑戦となります。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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