人生はバックアップが大切だと釣りに行くと思うのである。波平&マスオのように、帰りに魚屋で魚を買うほどの根性はないが、今回はミカン。西伊豆まで行ってミカン一袋。それでも無いよりはましなコンティンジェンシープランである。
なお、釣りが趣味なのはマスオではなく波平。Wikipediaによれば、波平も釣り下手では有名で、「たまに大物を釣ったときはなれない為か気絶してしまう」そうである。ま、そんなことはどうでもいい。
さて、今回は西伊豆より遠いインドの話題。
しかし、最近ではむしろ西伊豆より近いとも言えるインド。
話題の元ねたはReutersの"India's Bangalore city renamed Bengalooru"から。
バンガロールの回帰運動
バンガロールと言えば、有名なインドのIT集積地である。最近その名称が"Bangalore"から"Bengalooru"へ変わることとなったらしい。これは、イギリス式の名称から、本来の名称へと回帰するものらしい。"Bangalore"とはイギリス植民地時代に付けられた名前で、14世紀に付けられた本来の名称である"Bengalooru"をイギリス風に変えたものであるという。
この回帰の背景には、地元住民の強い要望があるという。IT集積地として国内外から多くのアウトサイダーがバンガロールへ流入したことにより、ローカル言語であるKannadaの保護を求める熱狂的な排他主義が勢力を強めつつあるという現実がある。今回、都市の名前を回帰させることにより、そうした動きを鎮静化しようという意図があるという。
ITとグローバリゼーションとインド
インドは旧イギリス植民地であったが故に英語を流暢に扱う人が多く、それが欧米のアウトソーシングを受託していく上でインドに競争優位をもたらした。そして、これは逆に急速なグローバリゼーションの波にインドを巻き込むこととなった。記事でも紹介されているが、インドにおける都市名の回帰現象は今回に始まった話ではなく、"Bombay"は"Mumbai"に、そして"Madras"は、"Chennai"へと既に回帰済なのである。
グローバリゼーションは、「フラット化する世界」の中心的テーマであるが、その象徴でもあるインドにおいてはその反動も大きいと言える。フラット化の流れを無視すれば世の中の流れに取り残される。一方で、ローカルな特徴を失えば完全競争の世界が現出し、ビジネス的な旨みが失われるのみならず、イノベーションの源泉である多様性を喪失することとなる。
グローバリゼーションと多様性
自分が留学した折は、日本式の経営や企業文化というものを極端に嫌って海外へ行ったのであるが、実はそこで突きつけられたのは日本の独自性とは何であるかという命題であったのを思い出す。つまり、単純に欧米の経営手法を学び、真似したところで、それは欧米企業と同じ土俵に乗ったにすぎず、競争優位を獲得したことにはならない。ならば、日本企業として何を競争優位性の源泉とするのかと自問せざるを得なかったのである。
インドのITベンダーは、低コストと英語力を武器としてもはやグローバル企業と言って全く遜色のない領域に達している。しかし、コスト高も指摘される中で、これから競争優位をどこにおいていくのかというのは大きな課題であろう。これはインド企業のみならず、グローバリゼーションの流れに乗る全ての企業と個人に与えられる課題であると思う。
記事において、Infosysの幹部は、次のように言う。
There is not much of a fundamental change in calling Bangalore Bengalooru. We will live with it. It will not affect the industry,
つまり、名称が変わったところでインドのIT業界に大きな影響が出るわけではないと。確かに改称のみで何らかの影響が出るわけではないだろうが、私には今回の回帰がグローバリゼーションの抱える課題に対する警鐘と聞こえるのである。
あぁ、気絶するほどでかい魚が釣りたい。
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