エンタープライズ in Second Life - 楽しい就活編(3)

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2007-04-07 14:41:34

前回は会社説明会開催前の話でしたが、今回は会社説明会当日の模様をお伝えします。

(ちょっと時間が空いてしまい済みません。)

Second Lifeでの会社説明会は、参加者が家からアクセス出来るように、夜の8時半と9時半の2回開催である。8時を回る頃から学生が続々とオフィスへやって来る。ちゃんとリクルートスーツを着込んで、正面の門から入ってくる人もいれば、前回ご紹介したようにすごい姿でやって来る人もいて面白い。Second Lifeではしばしば発生する妨害行為などを防止するため、参加は事前登録制、かつ登録がないと敷地に入れない設定としてある(普段は誰でも入れます)。このあたり、結構気を使うところである。Second Lifeは人の集まっているところに更に人が寄ってくる傾向があるため、登録者を早めに会場へ入れないと、SIM自体に入れなくなるのである。

それにしても、PCのスペックが十分でないせいか、入り口から入ってきても途中で固まってしまう学生や、日本語入力が出来る設定になっていない学生、すっかり場違いなアバターで登場してしまう学生など、ホント誘導するだけでも一苦労である。それでも説明会会場に学生が着席すると、なかなか壮観である。リクルートスーツをきちんと着込んで、神妙に開始を待っている。(たまに座り方が分からなくて飛び回ってしまう人もいましたが。。。)

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説明会はイントロ、会社説明、質疑応答の流れで構成されている。イントロでは、人事部担当者が参加者の出欠を取ってみたりしてまずはコミュニケーションを図るのであるが、Second Lifeの世界ではコミュニケーションが結構ゆるくなる傾向があり、「xxさん」「はい」から始まって、「xxさん」「Hey!」「欧米風ですね」と崩れ始めて、最後の方では「xxさん」「^^)/ はい!」って感じですっかりリラックス。ちなみに、こちらの写真はステージに立つ人事部長と人事担当者。

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会社説明自体は、人事部担当者が正面に立ち、スライドと音声で至極まともに行うのだが、これがPCのスペックで音が途切れたりスライドの表示が遅れてしまった人がいたようで、申し訳ないこととなってしまった。そして、最後は質疑応答であるが、これはチャットで行う。立ち上がった人を指名して、質問をしてもらうのであるが、指名された人がチャットで打ち込んだ内容だけが、正面脇の電光掲示板に表示される工夫がしてある。この質疑応答も、Second Lifeのコミュニケーションの緩さからか、質問も非常にし易いと評判で、人事部長の過激なコメントなども織り交ぜて、とっても面白いセッションとなった。

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さて、説明会は全部で4回行ったのであるが、最終回に限っては後ろがないこともあり、学生さんも巻き込んでそのまま打ち上げパーティへと突入した。アバターが同じ動きをする面白いスクリプトを使って、皆でステージ上で踊りまくるのである。こちらの写真は、既に狂乱のダンスパーティの模様。普通ならあり得ない展開に、主催者も学生さんも大興奮のうちに説明会は終了したのである。

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さて、今回の試みから何を学ぶことが出来るだろう。

正直なところ、試みとしてはリアルライフで行っていることを模したものであり、まだまだSecond Lifeならではという域にまでは達していないことは認めざるを得ないが、それでも次のようなことは言えると思うのだ。

来るべき時代感覚の共有

前回触れたとおり、説明会に参加した学生の方たちの大半は、もともとオンラインゲームにどっぷりはまっていた人たちというよりは、今回の試みに共鳴してSecond Lifeを始めた人が多い印象だ。しかも、こちらが想定していたよりも遥かにたくさんの方々に参加して頂いた。今回、リアルとは別のレイヤーでのコミュニケーションへの関心の高さを改めて感じることが出来た。今日、人々がオンラインで過ごす時間が増えているというのは既知の事実であるが、徐々にオンラインでの時間が増えた世代ではなく、最初からオンラインで育った世代がこれから社会人年齢に突入するにあたり、こうした人達を顧客として、あるいは社員として捉えていくことが求められている。今回の試みでそうした感覚を少しでも共有できたのではないかと思う。

イベントの共創

また、今回の会社説明会というイベントは、ISIDが主催したというよりは、ISIDと学生が一緒に創り上げたという感覚に強い。説明会の場というものはこちらで用意したのであるが、そこに対して個々のアバターを創り上げ、リクルートスーツを着てみたり、あるいはあえて個性的な格好で登場してみたりして、Second Life内での会社説明会というものを創り上げたのは、むしろ参加者であると言えるだろう。Second Lifeは、そもそもその中での創造活動は全てユーザーに任されており、共創の世界であるが、その中で展開されるイベントも同じく共創によって成立しているのである。こうした感覚が、次に説明するような新しいコミュニケーション感覚に繋がっているのではないかと思う。

新しいコミュニケーション感覚

説明会の模様でも説明した通り、Second Lifeでのコミュニケーションはどこか緩い。2Dでのチャットやメッセンジャーでのコミュニケーションと比して、目の前に話し相手がいる距離感の近さがある。また、テレビ会議のようなシチュエーションは、反って相手と距離が離れていることを意識させるが、Second Lifeでは同じ場所、部屋などを共有できることから、ぐっと近い感覚になる。このあたり、3D世界の妙味であろう。また、「なんでも出来る」という感覚の強さから、参加者の創造力が刺激される分、みんな妙に個性が強まるし、発言が面白くなる。これも新しい発見の一つであった。

今回、会社説明会を一緒に創り上げてくださった学生の皆さんに改めて感謝したい。一方、イベントの開催でSIMに多くの人を集めてしまい、shinagawaエリアの住人の方にご迷惑をお掛けしてしまったことについてはお詫びしたい。

今後、Second Lifeに関しては、説明会そのものではなく、そこに至るまでの社内の葛藤であるとか、あるいは社屋建設にまつわるエピソードなど、面白いトピックを紹介する予定である。

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