どうも最近貧しい。また魚は釣れないし、株は下がっちゃうし、追い討ちを掛けるようにガートナーがソフトウェア・ライセンスの値段が下がるとか言う。それ即ち、IT企業の収益性に直結するのか? ガートナーに言わせればその通りである。
ガートナーの論理
記事によれば、ガートナーは企業にとってライセンス・コストが下がる理由として7つ挙げている。
1.ビジネスプロセスの外注(BPO)
2.サービスとしてのソフトウェア(SaaS)
3.SOAとオフショア開発による低コスト開発
4.ソフトウェアのメンテナンスやサポートを請け負うサードパーティー企業の出現
5.オープンソースに対する関心の高まり
6.中国系ソフトウェア企業の進出
7.ブラジル、中国、インド市場の拡大
この結果、購入企業の交渉力は強まり、ソフトウェア企業の収益率は低下すると予測されている。つまり、ソフトウェアもハードウェアと同様に部品化が進み、その部品1つ1つも安く作ることが出来るようになったから値段も下がると言うわけである。まさに最近のトレンドであり、これを捉えたソフトウェア企業側の努力もまさに現在進行形であると言える。
大手ソフトウェア・ベンダーはインドや中国で現地のIT企業に対抗して大量に人材を採用し、提供するソフトウェアをSOAに対応させ、サービスモデルでの提供を開始する。そして、更なる効率化と顧客ロックインを実現するために、M&Aを積極化し交渉力の低下に対抗する。
ちょっと話題を転じて
金融の話をしてみたい。以前取り上げたソーシャル・レンディングであるが、P2Pのレンディング・サービスが、金融機関の提供する融資業務を奪い取るという議論がある。つまり、Webで借り手と貸し手を繋ぐから仲介者たる金融機関は不要であるということだ。
しかし、現実には、ソーシャル・レンディングのサービスは、金融機関からのサービスを受けるだけの信用力がないアンダーバンクトというマーケットの開拓に貢献している。つまり、これは低コスト型のビジネスモデルが既存のビジネスを破壊するのではなく、マーケットの裾野を拡大したという話である。
これをソフトウェア・ビジネスの領域へ当て嵌めるとどうだろう。SaaSモデルやオープンソースの活用は、必ずしも大手ソフトウェアベンダーの領域を一気に崩したわけではなく、むしろこれまで高度なITを活用できなかった中小企業レイヤーに恩恵をもたらしているとも言える。
ガートナーの予測を外せるか
つまり、ソフトウェアの価格は低下するかもしれないが、それが収益性の悪化に直結するかは別の問題であると言える。しかし、そうなるかならないかは、ソフトウェア企業次第である。現状に甘んずればガートナーの予測通りとなるだろう。予測を外そうと思えば、スケールを追求するのか、イノベーションを追及するのか、新規マーケットを開拓するのか、まさに戦略が求められるところである。戦略とは選択である。
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
ブログ終了のお知らせと、筆者の新コラム連載の開始について
このブログの更新は終了しました。今後は編集特集「エンタープライズトレンドの読み方」をお読みください。
- 前のエントリー: SNSのプラットフォーム戦争と釣り
- 次のエントリー: 粘菌作戦
「エンタープライズニュースの読み方」 のバックナンバー
-
編集特集へ移動のお知らせ
いつもZDNet Japanをご愛読いただき、ありがとうございます。当ブログの更新は終了しております。今後はブログの執筆をしていただいておりました飯田様の執筆による 編集特集「エンタープライズト レンド の読み... -
「スーパーマーケット・バンキング」の逆襲と「青物」の定義
-
A380に乗ってみた
-
上達しない英語術
-
「金融民主主義」が金融サービスの向上を促す
- エンタープライズニュースの読み方 一覧へ »
-
新型インフルエンザ等のパンデミック時に対応できるユーザー認証のあり方と仕組み
- 圧倒的なWeb会議市場シェアを誇る「nice to meet you」のご紹介
- パンデミックでも社員を守り業務継続を支援する
- 企業コスト削減の傾向と対策 〜最新アプローチのトレンド〜
- ITコスト削減の傾向と対策 〜情報システム部様限定〜
- SOA による製造ラインとバックエンド レガシー メインフレームの統合
- 異種データベースサーバ統合による戦略的コスト削減のススメ
- 企業における情報セキュリティ実態調査
- コスト削減!が至上命題の今だから…、ウェブテレビ会議で移動費削減、業務効率化の...
- アメリカ固定・移動通信市場の最新トレンド/ICT政策を分析――「米国通信市場総覧20...
企画特集
-
100万円で実現!中小企業の情報漏えい対策
中小企業の課題!?セキュリティ管理者不在でも大丈夫 -
企業ITシステムの企画、構築、運用のイロハ
戦略的なITシステムのために、今考えるべきポイント -
―エン・ジャパン厳選求人☆毎週更新―
ハンゲームの社長が語る・人材とサービスの在り方 -
求めているのはSIerのエンジニア!!
連載インタビュー第1話、グリーCTO藤本氏が語る -
進むストレージ環境の見直し
仮想環境に最適なiSCSIストレージLeftHandのメリット -
最大32個のセンサーが電力を徹底管理!
『省エネ性能』追求HPx86サーバー徹底レビュー -
マネジメントの「コラム」と「コネタ」
今日のキーパーソンは誰? -
大丈夫?あなたの会社のセキュリティ対策
中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティを考える -
【最終警告】パンデミック対策特集
サービス品質を保証するためのリスクマネジメントとは -
VMware OEMベンダー6社を独占インタビュー
IBM、HP、NEC、DELL、日立、富士通のVMwareの取り組み -
急増するオンライン犯罪への解決策!
オンラインサービス保護ソリューション -
情報漏えいを食い止める!
証跡としての信用力を高めるメールアーカイブとは? -
J-SOX法制定により内部統制の整備が急務に
重要性高まるActive Directoryの課題と対処法を公開中
-
9. 出荷準備はOK?
この3分間のビデオは、あなたがソフトウェアを出荷する前に、データレー... -
10. Parallel Debugging Extensions
この3分間のビデオは、並列アプリケーション内のそうでなければ発見しが...
飯田哲夫(Tetsuo Iida)
