CNETは鉄道へ、P2PレンディングはP2Bレンディングへ

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2008-03-16 23:40:33

全然知らなかった。CNETが鉄道サイトを始めたなんて。INTERNET Watchに「CNETが鉄道分野に進出…」とか出ているから、一体何を始めるのかと思ったら鉄道サイトなんだそうで。「鉄道分野」っていう表現がいかにも世の中の細分化された嗜好を表していて面白いけど、自分の仕事としている「IT分野」もほんの狭い世界と改めて思い知るわけです。

盛り上がるソーシャル・レンディング

さて、以前にも紹介したことのあるソーシャル・レンディングがWall Street Journal誌に「Where Either a Borrower Or a Lender Can Be 〜 Small-Business Owners Turn To Online Networks for Funds As Banks Tighten Credits」というタイトルで取り上げられた。そこでの議論は、従来P2Pの領域で捉えられていたソーシャル・レンディングが、P2Bへと発展しつつある状況が描き出されている。

ソーシャル・レンディングに関しては、つい先日もZOPAの日本進出の話があったので記憶に留めている方も多いだろう。その際にも我々が思い浮かべるのはP2Pレンディングのことであり、銀行融資を受けられない、あるいは銀行融資の条件に満足できない個人が、ソーシャル・レンディングのサイトで、貸し手を募り、複数の個人の貸し手がそれにビッドするというモデルだ。

P2PからP2Bへ

しかし、今回のWall Street Journalの記事は、若干その様相が変わってきていることを物語っている。つまり、今進行中である米国の信用収縮の中で、銀行による貸出基準が厳しくなっており、その煽りを食ってしまった中小企業のオーナーがビジネス・ローンを求めてソーシャル・レンディングを活用し始めているというのである。

いくつか実際のケースが紹介されているが、いずれも貸出条件や貸出実行までの時間などの点において、ソーシャル・レンディングサイトの方が利便性が高かったとしている。貸出金額はいずれも円換算で2〜3百万円程度ではあるが、ソーシャル・レンディングに顧客を奪われたAssociated BankのExecutive Vice PresidentであるBaumgarten氏は、

 

We certainly recognize that [online lending sites] are competition for us, but we still feel there's real value in the one-on-one relationships that we develop, especially on the small-business side,"

 

と述べ、ソーシャル・レンディングが競合として認識されるとしている(もちろん、それでも銀行の方が強いと言っているが)。また、複数のクレジット・ユニオンがZopaとのビジネス展開を行っているとのことだから、借り手にビジネス顧客が参加したことに加え、貸し手にもビジネス顧客が参入していることとなる。

ソーシャル・レンディングだからこそ貸せるビジネス

最後に挙げられている例は、eBAYでオークションビジネスを展開する借り手が、そのビジネスモデルをなかなか銀行には理解してもらえず、ソーシャル・レンディングで資金を調達したというもの。なるほど、eBAYと似たような仕組みでお金を貸すソーシャル・レンディングならば、その貸し手にもビジネスモデルを容易に理解してもらえるわけだ。

ソーシャル・レンディングは、たまたま生じた米国の信用収縮を追い風に、思ったよりも強い存在感を示し始めた感がある。米国の経済停滞は、当然ソーシャル・レンディングの借り手にも影響を与えるだろうから油断はできないが、今後どのように発展し、既存の金融ビジネスと棲み分けていくのか注目されよう。

ところで、私の働いている会社のビルは、線路の真横にあっていろんな電車をまるで真上から見下ろすかのようなロケーション。電車好きの人が来社される折には、電車が一番見易い部屋を予約しています。是非事前にその旨お知らせ頂ければと。

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