PBXのIP化は時期尚早か? (番外編:キャリア系IP電話とIP-PBXの違い)

iptelephony 2006-11-13 16:08:29

最近業界を賑わしているIP電話に関する信頼性の問題が、現在のトピックに関連しているので、連載中の内容に割り込んで番外編としてこの記事を投稿します。

この数ヶ月間、キャリアの提供するIP電話サービスの中断が続いており、その影響が我々IP-PBXメーカーの商談にも影響を及ぼしてきた。同じ「IP」の技術を使っているので、同様に信頼性や安定性に問題があるのではないかという懸念からだ。ビジネスのライフラインである電話が中断しては一大事であるので、大きな懸念となるのも無理は無いが、同じ「IP」と言ってもPBXの場合はだいぶ事情を異にするのでその点をご説明する。

公表されている情報から知る得る限りでは、一連のIP電話サービスの問題に共通しているのは、サービスの普及に伴いシステムの負荷が増大した結果、従来から存在していたソフトウェア上の不具合やシステムの処理能力などの問題が露呈して、システムが処理しきれなくなったためサービス断になったというものだ。

このような性質の問題に限って言えば、IP-PBXの場合には以下の事情の通り懸念は少ない。

キャリア系サービスの場合、ユーザーがサービスに加入して初めてシステム上に加入者として登録され、システムの利用を始める。従って、キャリアがサービスを開始した当初は、システムが処理するユーザー数も設計容量よりはるかに小さい。電話設備に限らず、情報通信設備の多くは、少ないシステムリソースを効率的に利用してなるべく沢山のユーザーを処理するための様々な仕組が組み込まれている。この仕組の部分に不具合があった場合、システムの負荷が小さいうちは不具合が露見しにくいのだ。加入者が増えてきて、いろいろな操作をユーザーが同時に行い、このような仕組が動き始めて初めて今回のような問題が露呈し始める。

本来であれば、システムの設計容量ぎりぎりでの検証試験を実施し、不具合が無いことを確認することにより、このような問題の発生を防ぐのであるが、1台で数十万から百万単位もの加入者の処理を行なうキャリアの電話系の設備の場合、このような試験を行なうのは技術的にかなり難しい。単に電話回線をつなぐだけの試験なら模擬装置である程度できるのだが、電話の場合は全員ユーザーは人間であり、電話がつながってから百者百様の操作を行う。これを数十万、百万単位の加入者分漏れなく模擬して同時に負荷をかけるのは非常に難しいという実態がある。

一方IP-PBXの場合は、ユーザーが全員人間で操作は百者百様というところまでは同じだが、大きく異なる点は、IP-PBXは企業が自社の社員の電話利用のために準備する設備なので、利用開始の初日から設計容量での運用が開始されることだ。1万人の社員を抱える企業が1万内線の容量を持つIP-PBXを導入した場合、運用初日から1万人が利用を開始するわけだ。従って、すでに販売開始されてある程度経過した製品は設計容量ぎりぎりで使用されている実績も積まれており、今回キャリア系のIP電話で発生したような問題は発生しにくいといえる。

過去のブログでもご説明したとおり、アバイアは年間3百万ポートのペースでIP-PBXシステムを出荷している。アバイア製IP-PBXのフラッグシップ機は1台あたりのIP内線の容量が1万2千内線だが、すでに1万IP内線以上で数年間利用していただいているお客様も多い。

という訳なので、是非ともご安心の上、アバイア製IP-PBXをご導入いただきたい。

(加藤 浩明)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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