IT Service Manager Program受講記

itil 2006-01-19 13:54:27

今回は昨年僕が受講したIT Service Manager Programについて書きたいと思います。

このプログラムは通称“ITILマネージャ”と呼ばれており、2週間のオンサイトでの講義・ワークショップを含め、約2ヶ月間に渡って続くプログラムで、ITILサービスマネージャとしてのスキルを習得していきます。コース終了後に試験があり、合格すると晴れてITILマネージャ(正式には”Manager Certificate In IT Service Management”)として認定されます。昨年本ブログにてエデュケーションの視点からこのプログラムについては解説されていますので、僕の方は一受講者としての情報をお伝えできればと考えています。

きっかけ

僕自身がITILと出会ったのは、“Foundations of Service Level Management”という書籍(邦訳で”標準サービスレベルマネジメント”という書籍として発刊されています)の中でした。当時の僕は運用設計、運用管理システムのインテグレーション、および、維持管理を行っており、その中で品質や効率を向上させるために良い方法はないか、システム運用管理関連の書籍を読み漁っていた時期で、この書籍の中でITILを知るきっかけとなりました。ちなみに、たぶん皆さんと同じで最初は、”良い事は書いてあるけど、なんて小難しいことが書いてあるんだろう。それに日本語になっていないし、、、”と思いましたよ。その後、担当していたシステムで定期的にレビューや修正を繰り返していた活動にについてITILにも同様のこと、更には自分自身では気づかなかった改善ポイントまでもが触れられていることに気づき、ITILの凄さを思い知るまでにはそう時間は掛かりませんでした。

動機

現在のCAに入社し、プリセールスとしてITサービスマネジメント関連の業務を行っていく中で、(書籍にも色々書いてありますが)各プロセスの有機的な関連付けが欠落していることにより局所的な効果しか出ていなったり、局所的なプロセスに固執しすぎて、なんとかQuick-Winを達成したとしても次のステップが見えなくなり、いつの間にかプロジェクトが消滅してしまったりするケースについて伺うことがありました。僕自身もお客様へサービスや製品を提供していく上で、大局的な観点や深い知識に基づき、ITILを有機的に活用する能力の必要性を痛感しておりました。そんな中でこのプログラムの機会があることをお伺いし、上司に是非受講させてくれとお願いして受講に至りました。

受講

オリエンテーションの2週間後、オンサイトでサービスデリバリ(1週間)、その3週間後にサービスサポート(1週間)のプログラムが実施されます。講義形式とワークショップ形式の4対6くらいの比率でオンサイトのプログラムは進んでいきます。講義では講師の経験に基づきITILの各プロセスに対しての説明や試験に向けた対策、ワークショップではケーススタディに基づくチームでのディスカッションとプレゼンテーションを行っていきます。幸い経験豊富で活発な皆様とご一緒できたので、各自の意見をぶつけ合うことができ、その中で自分の中で整理しきれていなかった事柄をまとめ、新たな発見をしていくことができました。受講前や受講中にはかなりの量のアサインメント(いわゆる宿題)が出されます。僕自身はプログラムの前に日本語版のITIL書籍(サービスサポート、サービスデリバリ)と他書籍については既に何度か通読していたので、当日のアサインメントが終わった後、原書の翌日の対象となるトピックを読んでいました。そうすることで講師の話で内容を理解できるようにして、逐次通訳の方が日本語訳を行われている時間を内容のチェックや理解を深めるためにあてていました。僕の場合は書籍を確認しながら、プロセス・モデルを整理していき、自分用の資料を作成して理解を深めるようにしていました。また、オリエンテーションから2ヶ月の間は通勤中の読書時間を自社の発行しているホワイト・ペーパーやフリーで発行されているケーススタディ、フレームワークの解説書、ホワイト・ペーパーの通読時間に切り替えて学んだ知識を応用していくためのイマジネーションを養っていました。

試験

オンサイトのプログラムが終了して大体2週間後に2日間にかけて試験(サービスサポート、サービスデリバリ各3時間)が行われます。最後の2週間はいわゆる受験勉強モードで勉強をしました。さすがに受験なんて何年も前のことで、暗記をしようにも記憶力も随分と失われていますし、通常の業務も続けていましたので(こういう時に限ってトラブルとかに巻き込まれたりしますよね)、実際に試験が近くなって”もっと時間がないのかな“と思うことも少なからずありました。他に試験を受験された方とお話していても、このプログラムを受講する皆様は会社で重要なポジションで活躍されており、十分にお時間が取れない方が多いようでした。十分な準備を行う上で職場の方々のサポートは非常に重要かと思います。もし今後プログラムにチャレンジをする方がいらっしゃいましたら、事前に職場の皆様(上司、同僚、部下)のサポートを得られるように取り組むべきです。

ここでは実際の試験内容については触れませんが、3時間にわたる試験でかなり厳しい試験です。単なる知識の詰め込みだけでの合格は難しく、それを応用する能力が必要ではないかと思います。そういった力を発揮するために今回のプログラムのワークショップでのグループディスカッションやケーススタディは非常に役に立つものであったと感じています。

これから

当初の目的であった大局的な視野、各プロセスを有機的に活用するスキルに磨きをかけたことにより、以前よりもITIL活用のお手伝いを進めていきやすくなったと感じております。ワークショップでお互いの意見をぶつけたことは、周りの方がどのような思考でディスカッションに望んでくるかの想定を容易にしました。講義と勉強で学んだモレ・ダブリのない緻密な知識や応用力はITIL活用の際に役に立っていると実感しています。プログラムを無事に終えることができ、試験にも合格できたのは喜ばしいことですが、ITサービスマネージャとしての活動はずっと続いていきます。いわば試験結果は通過点に過ぎないのです。前回のブログでPDCAについて触れている箇所がありますが、このブログを書きながらつくづくそれを感じました。

日本にITILが本当に根付いていくにはまだ数年掛かると思いますし、これからITILv3の発刊などの変化も多々あるかと思います。僕自身はその過程で、社内に対してはCAがITILへのコミットメントを継続するためのエバンジェリストの一人として、社外に対してはCAがどのようにITILを実践していくか情報を発信し、IT業界の中でお役に立てていければと考えております。

最後に講師として豊富な経験を元にプログラム中色々な示唆を与えてくれたピンク・エレファント社のグレン&ダイアン、一緒にプログラムを受講しお互いの意見を交わしあった皆様、プログラム中にサポートしてくれたCAエデュケーションと職場の皆さん、このプログラム受講に関してご協力頂いた皆様方に今一度感謝を申し上げます。ありがとうございました。

三部 佳彦

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

SpecialPR