マッシュアップすると何ができる?

米野宏明(Hiroaki Komeno) 2007-10-15 11:30:00

そのうちマッシュアップ BI なんていうのも登場しそうな予感がしますので、今のうちこのキーワードについて考えておこうと思います。文章にすることで自分の考えも整理できますし。マッシュアップ = Mash Up。マッシュポテトのマッシュ。ぐちゃぐちゃっとしてから形作るっていう感じでしょうか。複数の Web サービスを合成して 1つの Web サービスのようにふるまわせる技術を指す言葉として使われています。もともとは音楽用語のようです。

エンジニア経験者としては、テクニックとして純粋に面白そうだと思っています。インターネットでアクセスできる「例の」地図サービスの上に、自分で作った機能を乗せられたりするんですもの、楽しそう。でもビジネスとしては ・・・ よその家の、しかも永遠のベータでいつ変わるか分からないプラットフォームに乗っかってインターネット接続前提の上でシステム組むぐらいなら、お金出して地図情報買ったほうがいいかな、なんて思ったりして。マッシュアップの一般的な解釈としては、どうやら SaaS のサービスを組み合わせることに価値を置いているようですね。

話は脱線しますが、ソフトウェアって昔からサービスじゃありませんでした?十数年前にサービス経済学の講義で教授がそんなこと言っていたような気がする。ソフトウェア代金はあくまで 「使用許諾権」 代であって、「所有権」 代ではない。本やCDと一緒、メディアは購入者のものだけど、コンテンツは作成者のもの。だからソフトウェアにも著作権があるし、誰にも所有権を認めないオープンソースがある。だとすると、インターネット経由のサービスっていう意味なのでしょうか?でもそれだと、ASP との違いがわからないし。

まあいいや、それはさておきマッシュアップ、たとえば地図情報と売上情報、2 つを足すと売上分布地図になる。すごくわかりやすいですけど、これって条件が特殊すぎませんか?「地図」 は固定情報です。地図会社はたくさんあれど、A社の地図と B社の地図で東京都の形は本来一緒なはず。だからそこに売上情報なり何なりを載せるとき、どこの会社が作った地図か、つまり、相手の情報そのものとのインターフェース (API: アプリケーション インターフェースという意味ではなく) はあんまり考えなくていいわけです。

他に実用的な例はないかと検索してみたものの、書籍情報とオンラインショッピングとか、風景写真と地図とか、お天気情報とホテル情報とか、そんな感じ、やっぱり片方もしくは両方が固定インターフェース。片方が固定であれば、地図とおんなじで、足し上げるほうが合わせてあげればいいだけで済む。でも固定である以上、そこから生み出される情報はカサあげされているだけで、まったく新しい情報が生み出されているわけではありません。違うレイヤーの情報を重ねて見ることもマッシュアップって呼んでいいなら別にそれでも構わないのでしょうけど。何か他にビビッとくるものはないんだろうか ・・・ そうか、もし思いついたらこんなところに披露している場合じゃないですね、ビジネスにしちゃおう。

企業内情報のマッシュアップ ポータルなんていうのもありましたが、うーん、これはさすがにマッシュアップって呼んじゃいけないのでは?マッシュアップ ポータルにウィジェットを貼るそうですが、それっていわゆる企業情報ポータルにポートレット (マイクロソフト的には Web パーツって呼びますけど) 貼るのとまったく同じ、レイヤーの重なりすらない。せめて情報を自動的に集めてマッシュアップするぐらいの勢いは欲しいですよね。解析エンジンの設計次第でそんなに難しい話じゃないと思うし。

情報+情報で新たな価値を生み出せるのは、人間だけです。つまり、マッシュする作業は本質的にその情報を使うユーザがしなきゃいけない作業なはず。コーディングされたものを使っている時点で、その情報マッシュ作業は開発者に依存するわけで、開発者にユーザの意図を確実に伝達しなきゃいけないし、メンテナンスの時にも同じことを繰り返さなきゃならない。エンド ユーザが本当のマッシュアップを自分の手でできるような技術の開発が待たれます。このエントリー書きながら思いついたことがあるので引き続き考えてみたいと思いますが、完成しても、もちろんここで発表なんかしませんよ。

米野宏明@マイクロソフト

※ 本エントリーの内容は筆者個人の見解に基づいており、マイクロソフトの見解を示すものではありません。

追 記

なんて書いていたら、つい昨日、Microsoft Popfly という Web ブラウザ上でのマッシュアップ サービスのベータ版が公開されました (ごめんなさい、あまりに忙しすぎて、社内事情に疎くなってきてます)。

あ、ここの追記には URL リンク貼れないんですね。

http://www.popfly.com/

というサイトになりますのでコピー&ペーストしてアクセスしてみてください。Windows Live ID (旧 .NET Passport) さえあれば誰でも参加できますので、ぜひ。なかなかインパクトのあるインターフェースです。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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