組織の品質管理を調べた組織の探し方

呉井嬢次(Johji Kurei) 2006-06-12 17:12:00

 取引する企業が、安全に十分配慮しているか短期間に調べるにはインターネットは便利だ。逆に、事故を起こした企業に対しても同様に調べることができる。事故を起こしたエレベータ会社を例に、その調べ方を紹介しよう。

まず、該当企業のホームページを探す

 Yahoo!やGoogleなど検索エンジンを使ってホームページを調べることができる。エレベータ会社のウェブには会社案内があり、次のように書かれている。

==抜粋==
 エスカレーター製造工場として世界ではじめて1992年12月にISO9001を取得。その先進性を改めて実証しました。現在は、日本はもちろん世界のグループ内の工場が同規格を取得しています。
==抜粋==

 ISO9001とは、品質管理を第三者機関が認証制度に基づいて、評価している基準となる国際規格ISO9001だ。日本の工場もISO9001の認証取得済みらしい。さて事故を起こしたエレベータ会社をどの組織が認証していたのだろうか?

事故を起こした会社を審査した組織の調べ方

 まず、財団法人日本適合性認定協会(通称JAB)のホームページから調べることができる。

財団法人日本適合性認定協会(JAB) http://www.jab.or.jp/index.html

 JABのホームページには、機関・適合性組織を探すメニューの中に、「ISO9001/14001 適合組織」という検索サイトがある。ここで「ISO9001適合組織検索」を選び、エレベータ会社名で検索できる。

 すると、社団法人 日本能率協会審査登録センタ−が、「エレベーターの設計、営業、生産、据付、保守、改修に関する全業務」までISO9001の認証を認めたことが確認できる。ちなみに有効期限は2006年12月23日となっている。現在でも有効だ。

何処が認証を与えたのか、それが重要

 事故を起こしたエレベータ会社には、当然責任はある。しかし、客観的にわかりやすいISO9001認証取得についても責任はないのだろうか。安全の一つの目安となっている品質管理のISO9001の認証を与えた側はどう考えているのか。日本能率協会が設立した社団法人 日本能率協会審査登録センタ−のウェブにはコメントはない。
 更に、日本能率協会審査登録センターを審査機関として認定した財団法人日本適合性認定協会のウェブにもコメントは載っていない。

ISO9001認証取得は、認証制度の一つ

 ISO9001を認証取得している組織の数は、ISO(www.iso.org)で調べると、世界に約76万事業者ある。ここで言いたいのは、認証取得していれば安全なのではない。チェック機能がどこまで効いているのか。それが問題だ。ISO9001は品質に関する基準だが、情報セキュリティ分野ではプライバシーマーク、ISO27001、ISO20000など多くの認証制度が存在する。取得をアピールする前に、顧客に迷惑をかけない仕組み作りが先決だ。

 エレベータ会社ばかり批判されるが、技術が複雑になったり、見えない箇所に対して認証が与えられ、人が信用する。これは情報セキュリティについても同じことが言える。事故を起こした組織を認証した側の責任、コンサルティングを行った業者など、テレビや新聞ではニュースにならない。しかし、黙っていれば済む問題ではない。

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