モヤモヤした頭から何かが生まれる

前川賢治(Kenji Maekawa) 2007-10-10 11:52:10

 今から20年くらい前に「アウトラインプロセッサ」と呼ばれるソフトウェアが登場しました。テキストを階層構造で記述し、それぞれの階層をマウスで簡単に入れ替えながら、概念的なところから書き下していって全体の構造を整えていくという、ワープロともエディタとも違ったソフトウェアです。

 なんで昔のアウトラインプロセッサなんて思い出したかというと、頭の中のモヤモヤとしたアイディアや発想を、果たしてコンピュータはうまく増幅して整理してくれるのだろうか、と、ふと思ったからなんです。

 先人がいろいろな手法やツールを考えてくれてはいますが、結局のところ、人間の頭の中ってのは、そう簡単にコンピュータには乗っからないんだろうと思います。「単純」とか「単細胞」なんていう形容詞(褒め言葉?)もありますけど、やっぱり複雑なんですよね、頭の中は。

 問題に悩んで悩んで、打ち合わせしても代案が出てこないのに、風呂に入っているときにピーンとひらめいてしまったりするんですから、人間の脳みそってのは不思議です。

 じゃあコンピュータが何の役にも立たないかっていうと、決してそんなことはない。ひとつは情報の入り口としての役目があります。GoogleやYahoo!に代表される検索エンジンのおかげで、知らなかった情報を瞬時に集められるようになりました。検索結果がすべて発想のネタになるわけじゃありませんが、ネタをつかむチャンスが増えてきたということでしょう。

 もちろん、たくさんの情報が目の前に積まれているときに、そこから何を掴んでどう発想するか、ってのは個人の感性の問題になってしまうんで、そこのところを他人がとやかく注文付けることはできないし、ましてやコンピュータが自動的に助けてくれるわけでもない。「常に問題意識を持とう」、といったような新人研修にでも出てきそうなことしか言えないんですけどね。

 発想力が大切ってのは何も今に始まったことではありませんけど、これまでの戦後の日本産業はとても大雑把に言うと「カイゼン」で食べてきた。工業製品の品質を高めて、メイド・イン・ジャパンというブランドで世界を席巻してきわけです。

 形のあるところでカイゼンを繰り返していく作業ももちろん大事なんだけど、きっとこれからは、形のないモヤモヤしたところから、創造性とか発想力によって何かを生み出していく習慣を育てていかないと、これからの日本は厳しいんじゃないかって、モヤモヤと思うのであります。

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前川@ドリーム・アーツ

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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