若者のクリエイティビティを生かそう

前川賢治(Kenji Maekawa) 2007-10-19 10:13:12

 最近の若い人は親や他人から叱られる経験をしないまま社会に出てくるので、仕事の進め方を注意しただけでいきなり辞めてしまうことがあって困っちゃうんだよ、なんて話をよく耳にします。

 自分が新入社員だった頃に当時の上司から受けた指導方法が当たり前と思って、「厳しく言ってついてこれないヤツが悪い」的な体育会系の考え方を未だに持っているマネージャも少なくありませんが、今の若い人は「なにくそ、コンチクショー」というノリではないので、これがなかなか難しい。

 かくいう自分もいつの間にか指導する側の立場や年齢となり、若い人との接し方を考える機会も多くなりました。

 たとえば社内で開くレビューなんかで、案や意見を述べた若い人たちに対して、「君らの考えていることなんかオレは全部分かっている。何年やってると思ってるんだ」なんて感じで対応していた時期がありました。まぁ今から思えば、ものすごい奢(おご)りがあったというか、ずいぶんと尖っていたわけですね。

 レビューは、上司がああせい・こうせいと言う場でも、他人(若い人)の案を批判・批評する場でもなくて、いろいろな人のいろいろな視点を混ぜ合わせることで新たな創造性を得る場であるべきだ、ということに気づいた最近はずいぶんと丸くなり、アイディアをなるべく引き出すように努めています。

 さて、GoogleやAppleに代表される米国の先進企業は、少数の天才が製品やサービスのアーキテクチャを決めているケースが往々にしてあります。西海岸のベンチャー企業に行くと、Tシャツに短パン姿の若いお兄ちゃんが会議に出てくることがあって驚いてしまいますが、実は彼こそがスーパーマンで、その会社で一番高い給料を貰っている、なんてことは珍しくありません。

 対して日本は、もちろん知的レベルは平均で見るととても高いのですが、天才を育てるというよりもチームとして結果を出していこうという国民性です。日本の産業を支えてきた「カイゼン」や「QA/QC活動」なんかも、ラインの人までがチームで一体となって知恵を出し合った結果だと言えるでしょう。

 ただ、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)や新興国の台頭が目の前に迫っている今の現実を考えると、これからはカイゼン的な要素だけでは勝てません。クリエイティビティを組織としていかに高めていくかが重要で、ベテラン社員の経験と若い人の斬新な発想の融合などが鍵になってくるはずです。

 手前味噌ですが、我がドリーム・アーツでは「自律」を社是のひとつに掲げていて、自分で考え、自分で解決する習慣を徹底するようにしています。上司が部下を一方的に指導するのではなくて、若い人も含めて、それぞれの主観を議論できるような風土を会社の中に生み出していかなければならないと考えているからです。

 ということで若い皆さん、上司からちょっと叱られたぐらいで落ち込まないように。日本は君たちの新しい知恵と創意を必要としているのですよ。

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前川@ドリーム・アーツ

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