中国大連のススメ

前川賢治(Kenji Maekawa) 2007-10-26 14:04:36

 今年8月、うちの会社は中国の大連(日本読みで「だいれん」、中国風だと「ダーリェン」)に、ソフトウェアの開発とテストを行う子会社「DAチャイナ」を設立しました。

 今から数年前、現地の視察に行った社長の山本が、「大連はすごいところだ。おまえも見てこい」とあまりにしつこく言ってくるんで、物見遊山の気持ちで初めて訪れた時の印象は強烈でした。

 何を隠そう中国に対するイメージといえば、人民服を着た多くの人たちが自転車で行き交っているくらいなもので、とにかく何にも知らない状態で行ったわけなんですが、実際に足を踏み入れてみると、日本の大都市と同じように高層ビル群が建ち並んでいるし、人民服も見かけなければ、自転車のラッシュアワーもない。しかも話を聞いてみると、経理処理などのオフィス業務やデータ入力を委託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の一大拠点として、多くの日本企業が大連に依存しているといいます。

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大連中山広場

 知らないのは自分だけだったのかも知れませんけど、驚いちゃいましたね。

 話を戻して、開発を海外に委託する「オフショア」という言葉をここ数年の間に耳にします。その狙いはもちろん人件費の安さ。正社員数を抑えたいという企業の思惑もあるでしょう。

 ところが、人月(にんげつ)費の安さからオフショア開発を始めたものの、文化の違いや言語の問題、あるいは相手の技術力が不足していたり、日本側が明確な仕様を書くことに慣れておらず要件が伝わらない、といった理由で、品質や納期に問題を抱えてしまう例が少なくありません。結局はオフショアを諦めて日本での開発に切り替えて、高い授業料を払って終わった、なんていう裏話もちらほらと聞きます。

 製品の開発って、仕様書を渡してあとはヨロシクね、では済まない部分もあって、どうしても外注だと理念や思想がなかなか伝わらないんですよね。

 当社でも、同じ問題に突き当たりました。で、出した結論は、「外注ではなくて自社でやる」ということ。

 なんで大連かというと、真面目で素直でやる気があって優秀な若い人たちが多いことに尽きます。おまけに漢字圏なので日本語の習得が早い。彼らはアニメやゲームを通じて日本に興味を持ち、かなり高いレベルまで日本語を学んでいます。大学がIT技術だけじゃなくて、きちんと日本語を教えてるんです。

 中国というと2008年にオリンピックが開かれる北京や2010年にEXPOが開かれる上海などが有名ですが、北京から直線距離で500kmほど離れた大連も目覚ましい。最近は毎月のように行ってますが、本当に進んできているなっていうのが実感できます。

 大連のIT産業の歴史はまだまだですが、これからノウハウを蓄えて人材が育っていくことを考えると、いつの日か日本の強力なライバルになるかもしれません。いずれ日本企業は何をメシの種にするんだ、っていう時代がくる気がしますね。

 

 

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前川@ドリーム・アーツ

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