大規模なリニューアルをYahoo!から学ぶ

前川賢治(Kenji Maekawa) 2008-01-11 12:26:56

 ご存知の通り、Yahoo! JAPANがトップページのデザインを大きく変更しました。正式な切り替え日は2008年の1月1日。2007年末まではベータ版としてリリースされていて、「まずは体験してみよう!/ヤフー新しいトップページ」というリンクをクリックすると切り替わるようになっていました。

 ウェブサイトのデザインリニューアルにはそれなりに勇気と度胸が必要です。運営者側が使いやすくしようとページの構成やメニューの階層を変えても、利用者は逆に使いにくいと感じてそのサイトを敬遠してしまうこともないとは言えません。実際、人気のある某ソーシャルネットワークが2007年10月にリニューアルした際には、一部のブラウザで閲覧ができなくなるなどの問題もあって、利用者からずいぶんとクレームがつきました。

 Yahoo!は一日あたり10億回を超えるページビューがあるといわれていますので、今回のデザイン切り替えは相当の決断と周到な計画のもとで行なわれたはずです。失敗すればユーザー離れを引き起こすことにもなり兼ねませんからね(海外のYahoo!サイトはすでに切り替わっていますので「予行演習」はすでに終わっていることになります)。

 Yahoo!のサイトが出来たのは1996年4月。多くの情報をギュギュッと凝縮したトップページのレイアウトは視認性や操作性にも優れ、ひとつの「基準」としてウェブデザイナーから尊重され、さまざまなサイトのデザインに影響を与えてきました。

 最近でこそ検索サイトとしての役割はGoogleにお株を奪われている面もありますが、さまざまなサービスが利用できることもあって、ブラウザの「ホーム」にYahoo!を登録している人も多いのではないでしょうか。

 ところでYahoo!のトップページは、もともとは登録したサイトを探し出す目次ページとして作られました。まだウェブサイト自体が珍しかった頃、サイトを開設したらまずはYahoo!に登録申請をしたものです。

 しかし最近のYahoo!は、オークションやショッピングなどが利用のメインになっているようで、登録されているサイトを検索する「Yahoo!カテゴリ」は一番下に追いやられています。要するにYahoo!の使われ方が時代と共に大きく変化してきたということが画面デザインからも分かります。

 そして新しいデザインでは、なんと「Yahoo!カテゴリ」メニューは右上に一行あるのみ。そのぶん、サービスやニュースや天気などの情報ポータルとしての色づけが濃くなっています。

 ドリーム・アーツが提供しているINSUITE Enterprise(インスイート・エンタープライズ)は、一般にポータルソフトウェアに分類されていることもあって、やはりページのデザインには気を使っています。ですから、Yahoo! JAPANがどのようにデザインを切り替えてくるのか、実のところ秘かに注目していました。

 ウェブ設計の観点から見ると、次のようなポイントが目にとまります。

・ユーザーの抵抗感をなくすために移行期間(ベータ版)を設定している

・移行期間中は同じURLのままで新旧デザインの好きなほうを選択できる

・情報が従来にも増して的確に整理されている

・検索ウィンドウを視覚的に目立たせている

・高解像度が当たり前になっている最近のPC事情を反映して、およそ710ピクセルだった横幅が950ピクセルに広げられた

・スタイルシートを始めとする高度な実装テクニックが使われている

 Yahoo! JAPANのリニューアルは仕事でウェブに関わっているかたにとっては、いろいろと勉強になるはずです。巨大サイトの切り替え事例としてチェックしてみてはいかがでしょう。

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前川@ドリーム・アーツ

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