お客様が製品を育てる

前川賢治(Kenji Maekawa) 2008-06-20 19:03:02

 弊社が提供している「INSUITE Enterprise」という大規模向け企業情報ポータル型グループウェアも、おかげさまで出荷数が25万ユーザーを超えました。これまで製品を導入し、使っていただいているお客様には、本当に感謝、感謝です。

 ところで、ユーザー数が数千人にものぼる企業や組織に製品を納めていると、いろいろなハプニングに見舞われるものです。

 設計の段階では、お客様はこうやって使うだろう、こっちの操作のほうが簡単だからそんな面倒な操作はしないだろう、などと頭の中で考えて作業を進めていくわけですけど、いざカットオーバーしたあとになって、予想もしていなかった使い方をお客様がされることがある。

 そういうユーザーが少数であれば影響は出ないのでしょうけど、大勢のユーザーが同じように使ってくると、性能が大幅に低下するといった目に見えるトラブルとして現れてくる。想定外の出来事に、もう「あちゃー」ってな感じですよ。

 ユーザー数が増えてシステムが大きく複雑になればなるほど、「あちゃー」を連発する機会も増えてしまい、ブルース・リーじゃありませんが「あちゃッ、あちゃッ、あちゃーッ」って叫んじゃう(笑)。

 もちろん、決してお客様の使い方が悪いのではなくて、自分達の知恵が及ばなかったのがその原因。そういう使い方をする理由をお客様に訊ねると、ああなるほど、そういう考え方もあるのか、と納得。設計者の頭だけで考えることがいかに足らないか、ということをいつも痛感させられます。

 もうひとつ厄介なのがピーク処理量の見積り。システム設計者であれば誰しもが頭を痛めた経験があるはず。

 システムへのログインひとつとっても、ピークが朝9時に集中する会社もあれば、フレックス勤務の影響かバラける会社もある。片やログアウトのピークも、役所系は17時に集中する一方で、残業の多い企業は深夜まで分散する傾向にある。一見関係なさそうに思える勤務形態とか組織風土が、実はシステム設計で重要になってくるんですから難しい。

 ピーク処理に耐えるようにと、ある部分を増強したら、それまで見えてなかったほかの部分が新たな問題として現れてきた、なんてことも珍しくない。ちゃんと考えていれば分かるはずなんですが、なかなか思い至らないんだね、これが。

 それでも失敗と経験の蓄積ってのは大切で、一度した失敗はきちんと対策し、二度としない。そうして、いろんな失敗を繰り返した積み重ねが、実は今のパッケージにすべて盛り込まれている。つまりパッケージソフトウェアってのは、自分達の試行錯誤の集大成が詰まったモノであり、お客様の忍耐と叱咤によって育てられたモノでもあるわけです。この点をいつも肝に命じながら、お客様に本当に喜んでもらえるような製品づくりに励んでいます。

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前川@ドリーム・アーツ

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