IBMの「Cell」プロセッサ、オープンソースの道を行く

opensource 2005-06-01 21:10:04

IBMが先週、「Cell」プロセッサのライブラリを一部オープンソース化すると発表した。その少し前には、Cellプロセッサアーキテクチャの仕様が明らかにされている。

標準的なユニットは、次のような特徴を持つ1基のプライマリプロセッサと、8基のSynergistic Processing Elements(SPE)で構成されているという。

*64ビット「Power Architecture」

*スーパースカラー・デュアルパイプライン構造

*64ビットALU/64ビット倍精度FMAC

*128ビットVMX(「Altivec」)

*32KBI+32KB D L1キャッシュ

*512KB L2 キャッシュ

*2スレッドSMT機能

*論理分割対応

SPEは、汎用SIMDエンジンを利用し、ハードウェアメモリマネジメント機能や256KBのDMAバッファ、共有「キャッシュコヒーレントSMPバス」を介して相互に通信したり、プライマリプロセッサと通信したりすることが可能な、それ自体非常に強力なデバイスだ。

1基のチップでハイエンドグリッドと同等の働きをするこのデバイスは、本当に大したシロモノだ。動作周波数は3.2GHzということだが、瞬時に3.9GHzまで高速化できるとされ、スループットは25.4Gbpsに達する。コードが適切であれば、「Xeon」プロセッサの10倍以上の速度で問題なく動作し、浮動小数点アプリケーションもXeonの2倍の速度で動くという。

これをいまだに単なるゲーム機用エンジンだと考えているなら、それは間違いだ。IBMの発表によれば、Cellは「次世代標準アーキテクチャ」となるべく開発されている。RISCのセキュリティ機能やIBM支持者待望のハードウェアパーティショニング機能を搭載し、最高のパフォーマンスを実現しうる同プロセッサは、まさしく今後の主役になるだろう。

先ごろロサンゼルスで開催された「2005 E3」カンファレンスでは、IBMのエンジニアが、Cellプロセッサを搭載するブレードサーバのデモンストレーションを行った。ここで、同デモの様子を紹介した日経BPの英語サイトを引用してみよう。

 

「Cell Processor Based Blade Server」と称される試作品のサイズは、約23cm×43cm。各ボードには、Cellプロセッサ、512MビットのXDR DRAM、サウスブリッジLSIがそれぞれ2基ずつ配置されている。デモは、Cellプロセッサを2.4〜2.8GHzで動作させて行われた。デモを担当したエンジニアは、「ラボではさらに高速でCellプロセッサを動作させている」と話しており、また「3GHzで動作させた場合は、Cellの理論上のパフォーマンスはおよそ200GFLOPSに達し、ボード1枚当たりでは約400GFLOPSとなる」ということだ。IBMでは、これらのボードを7枚収納できるラック製品をリリースする予定である。

 

7枚のこうしたブレードを格納するラックとLinuxさえあれば、本物のスーパーコンピュータを手に入れることができるだろう。もっともこれには、わたしが知る限りでは1つの欠点がある。Linuxアプリケーションの移植が容易なため、これらのアプリケーションの統制が取りにくくなってしまうのだ。こうした事態は、グリッド式のスーパーコンピューティングをまだ利用したことのないユーザーには、困難なものになるだろう。

 

 

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