「Rodi」は「BitTorrent」の代わりになれるか?

opensource 2005-06-02 20:45:12

 「Rodi」はJavaに基づくコンパクトなP2Pクライアントアプリケーションであり、コンテンツ検索および完全な匿名性を実現した点で、「BitTorrent」に勝るものだ。同アプリケーションはGNU General Public Licenseの下でリリースされており、そのクライアントソフトはここからアクセスできる。

 Rodiでは、「バウンシング」と呼ばれるプロセスを介することで、IPアドレスさえも秘匿することができるという。AさんがBさんの所有するファイルを入手しようとする場合、Cさんを仲介に立てて交換を行うという手法をとっているのだ。BさんはCさんのIPアドレスを知ることができるが、Aさんのアドレスはわからない。またIP Spoofingという機能を利用すれば、Aさんは自分たちの存在をCさんから隠すことも可能だ。

さらにRodiは、企業が設置するファイアウォールや、LANで利用される技術であるNAT(Network Address Translation)の影響を受けることなく動作する。

 Rodi(ギリシャ語でザクロを意味する)の製作者は、みずからをテルアビブに住むイスラエル人男性、LaryTetであると称している。彼について分かる情報はこれだけだ。この人物は、同インターフェースをだれもが利用できるように改善するため、金銭的/技術的なサポートを広く求めているという。LaryTetがこのアプリケーションの公開に踏み切ったのもそのためだ。

 LaryTetは、自身の近況を次のように語ってくれた。

 どんなサポートでも、喜んで受けさせていただく。

 特に、ベータ版のテスターを募集中だ。これまではmethlabs.orgがなにくれとなく助けてくれたが、彼らもオープンソースプロジェクトに携わる身で、やはり寄付に頼っているし、取り組むべき仕事も抱えている。また、本プロジェクトを技術的に分析してくれる人がいればありがたい。わたしは決してネットワークの教祖などではなく、ただ過去10年間、通信業界に身を置いていただけなのだ。

 Rodiで「実生活にそくした」テストを行いたい場合は、多少準備をしてもらわないといけない。まず、わたしに連絡するか、methlabs.orgあるいはPlanet Peerにその旨を知らせてほしい。彼らが準備を手伝ってくれるだろう。各種のオンラインドキュメントには、機能要件やソフトウェア要件、設計などに関する情報が満載されているが、ここに書かれていることのすべてがRodiに盛り込まれているわけでもないし、Rodiのすべての機能が設計通りに実装されているわけでもない。わたしの場合は、コードを迅速に作成するため、ところどころで要件定義などの作業を省き、近道してきた。なお、P2PForumsには数多くのスレッドが立っているので、参考にしてほしい。

 種々の先進的な機能を備えているにもかかわらず、LaryTetは、このP2Pテクノロジーが規制当局による著作権法違反の取り締まりをかわし続けることはできないと考えているという。彼はIntegrity P2Pサイトで、「インターネットサービスプロバイダ(ISP)が、『寄生的な』トラフィックに対し、どの程度寛容な態度を取るかにその命運はかかっている」と語り、「トラフィックアナライザーは、実に効果的に動作する。様々なポリシーをネットワークに適用することは今日でも技術的に可能だ。トラフィックアナライザーの価格は日々下落しているし、導入もますます容易になっている」と指摘した。ISPがAOLのようなコンテンツオーナーであれば、IPアクセスを中央で制御することの金銭的メリットは大きい。「Rodiが10年後にも存在しているとは考えられないが、そのアイデアは生き続けてほしい」と、LaryTetは締めくくった。

 個人的には、わたしも彼の考えに同意している。テクノロジーを利用して著作権産業の収益をかすめ取るのは、見当違いの行為だ。著作権を見直すなら、法制度を通してそうすべきである。だが今のところ、政治的な大変動でも起きないかぎり、そうした動きは活発にならないだろう。

 いずれにしろ、著作権戦争は続いている。そしてRodiは、そのための新たな武器なのだ。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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