ブロードバンドは人権か?

opensource 2005-11-01 01:18:36

 CNET News.comの解説記事担当編集責任者Charles Cooperは「ブロードバンドは人権である」と明言しているが、わたしにはそこまで言う自信はない。

 だがこれが必需品であるのは確かで、21世紀の社会では絶対欠かせない会員証のようなものだ。

 米国時間10月21日の金曜日、利用しているブロードバンドが雷雨でダウンしたのをきっかけに、わたしはこうした考えを持つようになった。サービスが回復するまでに要した時間は、実に1週間。ニュース記事を執筆するのに「無料」のWiFi「ホットスポット」を何度か使用したが、これがどれほど高くつく行為なのか思い知らされた。自宅に置いてあるような食べ物やら飲み物やらを注文せねばならず、1回2時間の利用で平均10ドルもかかってしまったのだ。

 わたしはこれまでなんと恵まれていたことだろう。ブロードバンドが使えないと、仕事がうまく進まない。ブロードバンドが奪われると、世界と、そして友人や同僚とコミュニケーションが取れない。息子は非常に高価な研究ツールを失い、娘は大好きなお話が読めなくなり、妻は職場へ車を駆らねばならなくなった。

 それはまるで、一時代前の世界、すなわち20世紀の世界に飛ばされたようなものだった。今考えれば、当時は電話で人々と話し、情報を交換していたのだ。ニュースソースも新聞とテレビ(付け加えればケーブルテレビも)に限定されていた。なんだか物足りなかった。

 しかし、何かが単なる選択肢から絶対必需品へ変化する際には、状況も微妙に変化するものだ。そしてそうした変化が、すべてがよい方向を向いているとは限らない。必需品を手に入れるために料金を支払わなければならないのは、当然である。わたしたちは、食料、住まい、電気、ガスに金を払っている。ここで気づくのは、これらの必需品の供給には政府が深く関わっているということだ。

 もっとも、Cooperはこうした事実を示唆しようとしていたわけではなく、政府がブロードバンド利用の基盤を整え、その後道を譲るべきだと言いたかったのだろう。これまでも、テレビや電話から、住宅市場から、水道電気サービスから、そして医薬品マーケットから撤退してきたように(賢明なる読者諸君ならとっくに気づいていたとは思うが)。

 しかしながら、ブロードバンドそのものには何の意味もなく、これは本ブログでもテーマにしている。ブロードバンドが力を発揮するには、ハードウェアとソフトウェアが必要なのだ。前者は任意の価格で販売されるもので、その価格はしばしばムーアの法則の影響を受ける。一方ソフトウェアは、オープンソースであれば金銭では測れない存在になり得る。だがこれがプロプライエタリの場合は、完全に別物だ(最近Microsoft「Office」の価格をチェックしたことがあるだろうか?)。

 Nick Negroponteは、Linuxを搭載するコンピュータを大量生産し、わずか100ドルで提供しようとしている。これを実現するためには、2つの前提条件が不可欠だ。1つがブロードバンド、そしてもう1つがオープンソースである。

 そんな話は眉唾モノだと切り捨てる前に、わたしが先週体験した状況に身を置いてみてほしい。1987年当時に遡るのである。それがどんな感じなのか、ぜひ知ってもらいたい。そして感想を教えてほしい。

 ああ、感想はもちろん電子メールお願いします。

(Dana Blankenhorn)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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