「Wikipedia」は危険な存在?

opensource 2005-12-06 15:53:16

 CNET News.comの記者Charles CooperがWikipediaに関して執筆した最新記事を読んで、オープンソース社会契約論とでも呼ぶべき一説をぶちたくなった。

 Wikipediaは、オープンソース化された知識を具現したものである。現時点では英語版が最大規模で、およそ84万6157件前後の記事が掲載され、多くの人々が利用し信頼する情報源となっている。

 Cooperの記事の要点は、Wikipedia上で嘘をつく人々がいるので、これをあまり信用してはならないということだ。同記事では、故ケネディ大統領の補佐官だったJohn Siegenthalerが、自分に関する記事にみずからを大統領暗殺の容疑者と見なす誤りがあることを発見した件が紹介されていた。

 GPLと同様、Wikipediaは権利を保証するとともに、引責の義務も負っている。これは、わたしことDana BlankenhornのWikipedia記事を見てみれば一目瞭然だ。

 …いや、そんな記事はむろん存在しない。だがその気になれば、Wikipediaに参加して記事を執筆するのは簡単である。わたしというすばらしい人物を大々的に持ち上げる記事を書いて、インターネット上で公開できるようになるわけだ。

 もちろん本ブログの読者も、Wikipediaに参加できる。そうした記事を作成して、例えばスペースシャトル「Challenger」号の事故の責任はBlankenhornにあるといった、悪意に満ちた中傷を繰り広げることが可能なのだ(念のため断っておくが、ケネディ大統領が暗殺されたとき、わたしはニューヨーク州マサピーカのバーチレーン小学校にいたので、この事件に関してはアリバイがある)。わたし自身がWikipediaに参加してこうした記事を訂正するまで、人々が記事にリンクを張り、わたしを非難するという事態は収まらないだろう。

 引責の義務と言った意味をわかってもらえただろうか。そう、Wikipediaに記事を投稿する際には、真実を語る義務があるのだ。嘘はあっという間に広がるし、人を大いに傷つけるものだから。

 事実、Wikipediaの運営者たちは、こうした問題に日々直面しているという。彼らは、エントリを閲覧不能にしたり削除したりする手段を用意しており、たいていはこれが効力を発揮している(Siegenthalerもこうした手段を用いて、自分の記事を再編集した)。しかし、真実がようやく姿を現そうとするそのときには、嘘は世界の半分にまで広がっているだろう。その間、いったい何が起こるだろう。その間に受けた被害に対して、いったいだれが責任を取るのだろう。

 Wikipediaが問題をはらんでいるのは明らかだ。けれど、これだけは知っておいてほしい。Wikipedia記事の99.44%(実際にはもっと多いが)が、100%正確かつ公平なのだ。Wikipediaに協力しているほとんどの人々は正直者で、真実を語っているのである。

 これはまた、インターネット全体についても当てはまる。だからこそ、インターネットはうまく機能しているのだ。この事実は、非常に前向きで非常に重要なことをわたしたちに語りかけている。

(Dana Blankenhorn)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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