障害を持つ人々に寄り添うオープンソース

opensource 2006-09-07 19:16:30

 Googleの協力の下、Hewlett-Packardが開発した光学式文字認識(OCR)プログラム「Tesseract」が、「Apache」ライセンスに準拠する形でオープンソース化された。

 ZDNetの記事では、現行のソフトウェアに課されている商用制限を廃した製品の開発に、Googleがすでに取り組んでいる可能性も指摘されている。

 Tesseractは、実はそれほどすぐれたOCRプログラムではない。開発元のHPも、1990年代にOCR事業から撤退した際に、同製品の提供を中止していたほどだ。

 しかし、こうした傾向には語るだけの価値がある。

 インターフェースの分野で、オープンソースの力が強く求められていることの傍証になるからだ。

 文字をコンピュータで読み取れるように変換するという試みも、そうした分野に属している。声の変換も同様だ(わたし自身、母が盲目になった25年前から、この技術の必要性を強く感じてきた)。IBMは2年前に、音声を認識するコードの一部にApacheライセンスを適用してGNOMEおよびKDEに提供した。その結果、前者はいくつもの障害者向けプロジェクトを後押しし、後者は「KHotKeys」に音声認識機能を追加できたのである。

 どれもすばらしい成果だ。だがわたしの脳裏には、20年も前に撮影された映画のワンシーンがどうしてもよぎってしまう。故James Doohan氏がMacのマウスを手にして、「コンピュータよ」と呼びかけるのだが、キーボードを使うよう命じられて舌打ちするというシーンだ。

 わたしたちだって、いつそんな状態に陥るかわかったものではない。

 音声認識やOCR分野は巨大な利益が見込めるマーケットではないかもしれないが、絶対的なニーズが存在しているのもまた確かだ。オープンソースが現実の人々の生活に真の変革を起こすことができるとすれば、それはまさにこうしたプロジェクトにおいてだと言える。

 母のためにも、オープンソースに期待したい。

(Dana Blankenhorn)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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