シスコのGPL違反ふたたび

opensource 2007-01-25 16:57:09

 Ciscoが再びGPL違反を犯していたことを告白した。

 同社がこうした違反を犯すのはこれで2度目になる。

 最初の違反があったのは2003年で、このときはCisco傘下のLinksysにルータ用チップを提供しているBroadcomが、ファームウェアにGPLコードを使用していることを認めた。Ciscoはのちに、当該の802.11対応ルータのオープンソース版をリリースしたが、これは一般ユーザーによる改良のおかげで今や「スーパールータ」化している。

 今回の事件は、これよりはるかにやっかいだ。なにしろ、問題となっている製品があの「WIP-300」SIPフォン――またの名をCisco「iPhone」――なのである(写真参照)。Ciscoは同製品の商標権をめぐってAppleを訴えているが、その過程ではからずも自身の知的所有権侵害が明らかになった格好となり、大恥をかいてしまった。

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 いったいどのような経緯があるのだろう。わたしなりに考えてみた。

 問題の根源は、2社のスタンスの違いにあると思われる。

 Ciscoが2003年に買収したLinksysは、802.11などのオープンスタンダードに対応したコンシューマ機器を販売している。同社は、オープンソースコードを好む中国市場を開拓してきた。法的な問題を懸念せずに、彼らが自由な設計ができるようはからっている。

 一方Ciscoは特許を駆使する企業で、AT&Tをはじめとした、プロプライエタリなアプローチを採る電話会社および携帯電話会社と提携している。同社が主に注意を払っているのはセキュリティだが、同時にインターネットに対する影響力や、インターネット自身の力にも目を光らせている。ここでは、オープンソースはまさに嫌われ者だ。

 Ciscoにとっていちばん手っ取り早い解決法は、Linksysを手放すことである。しかし、それでは今後の成長や電話会社とのさらなる連携が犠牲になってしまう。同社が過去にLucentやNortel、Siemensに対して取ってきた対応を思い出してほしい。ウォール街もそんな選択肢は望まないだろう。

 Ciscoは、大手得意客とオープンソースを熱望するマーケットの間で、板挟み状態に陥っている。Linksysのプログラマは、強力な薬を用いるときのように、ほんの少しだけオープンソースを使ってしまった。そのおかげで、倫理の低さを暴露される結果になったわけだが。

 Ciscoが迫られている選択は実に厳しいものだ。上顧客にオープンソースの価値を説き、彼らがほかのサプライヤーへ流れるのを黙認するか、インターネット産業の可能性をみすみす逃すのか、どちらかを選ばねばならない。次の「GPLスキャンダル」が起きるのを待って、怒れるコード開発者たちをやり過ごすという手も、あるにはある。

 わたしなら、取るべき道は1つだ。はたして読者は、そしてCiscoの最高経営責任者(CEO)であるJohn Chambers氏は、いったいどうするのだろう。

(Dana Blankenhorn)

 

 

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