新しい出逢い

secondlife 2007-09-27 08:00:00

「ディズニーランドか……」

さくらとの約束の日を数日後に控え、俺は複雑な気持ちだった。

二人きりの初デート……とまでは言いがたいマーケティングの勉強。

そのさくらの意図をどう捉えていいのか、俺には図りかねたのだ。

「ま、なるようになるか」

俺は淡い期待をなるべく持たないように、自分に言い聞かせパソコンに向き直った。

昼休みを終え、気だるげな午後の時間帯。

営業が出払い少し閑散とした社内で、俺に気を配るものは誰もいない。

俺はその隙間にすべり混むようにSLにインをする。

さくらとのデート(勉強?)まで数日ある。

それまでちょっと予習といくか。

俺は調査がてら、企業SIMと一般のSIMを回ってみることを思いつく。

今までものづくりに熱中していたせいか、ほとんどセカンドライフ内を旅していない。

これから戦場に向かうというのに、敵地の状況を把握すべきだろう?

いくら最新の戦車を持っていたって、羅針盤がなくちゃ赤子も同然。

俺は宛てのない旅をすることにした。

とはいっても、今までの知識では行けるところは限られている。

まずはNissanの島に行ってみよう。

良くマスコミなんかで取り上げられる際眼にする、あの『自動車の巨大自動販売機』の島だ。

地図モードで『Nissan』を検索しテレポートすると、お目当ての巨大自動販売機をすぐに目にすることが出来た。

俺はリアルの世界と同じように、敵地に市場調査をかける。

島4つ分の広大な土地に、しかと設定されたテーマ。

迫力の世界にわがドリームインターフェイス社の将来を重ねる。

しかしこれだけしっかりとした島なのに、訪れる人はまばらだ。

時々人が現れ、また消える。

これが成功といわれた『Nissan島』の姿。現実なのだ。

「……集客は予想以上に難しいか………」

集客数が問題ではないと分かっていながらも、俺の眉間には自然と皺が寄っていた。

気を取り直し俺はここに集まる客のニーズを調査。……なんて、次々と現れる人に声をかける。

「どうしてここに来たのか」

「何を求めているか」

「面白い場所を知っているか」

つたない英文を打っていると、時々逃げられたり無視もされるが、以外にも大抵の人は親切に俺の言葉に返してくれる。

どうやら俺と同様の初心者が多いのかも知れない。

皆求めているものが分からず「とりあえ、ここへ」君ばかりだ。

そんな中、黒のライダースーツに緑のモヒカン……といった少々奇抜な格好の青年に出あった。

「ナイスな格好だね」

と、彼の服装を褒めたら、その新着したばかりのライダースーツの店を教えてくれた。

彼がくれたのはショップが連なるファッションモールの地図。

俺は早速その場所に行くことに決めた。

そしてそれが、彼女との出会いへの扉だったんだ。

(このブログの著者でもある大槻透世二さんがSecond Lifeでの「ものづくり」を紹介する「Second Life 新世界的ものづくりのススメ」。第27回は、『パーティクル1』。こちらもご覧ください)

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