レガシーシステムとSOA

soa 2005-07-25 19:08:02

 この間、当ブログの読者の1人が、非常に鋭いことを指摘してくれた。その指摘とは、昔の家屋のほうが建て方がしっかりしていると考える人が多いのは、きちんと建てられていない家は、とっくの昔に壊れてしまっているからだというものだ。実は、これと同じことがレガシーシステムにも当てはまる。われわれの周りにいまだに存在するレガシーシステムは頑丈に作られたアプリケーションで、何年も、あるいは何十年もの間生き長らえてきたものだ。どうしようもないシステムは、途中でだめになって、消え去ってしまっている。

 こう見てみると、古いながらもまだきちんと動いているレガシーシステムであれば、かっこ悪い緑色のスクリーンをWebサービスの層でくるんで、見栄えを良くして使い続けることにも意味があるのではないだろうか。

 最近のComputerWorldに、お払い箱寸前のレガシーシステムを見直す企業が増えているという記事が掲載された。これについてIONAのEric Newcomerは、「既存システムの価値が認識され、これらが簡単に再利用できるように」なれば、SOAとWebサービスへの投資対効果を企業はもっと簡単に回収できるようになると述べている。

 私も同感だ。

 Newcomerは、「COBOLをJavaに置き換えるのではない。既にあるものにXMLの層を加えて、既存の投資からもっと価値をしぼり出すことがこれからのやり方だ。これは非常に賢い考え方だ。新しいテクノロジーが出てきたというだけで、ちゃんと動いているものを新しいものに取り替えるやり方ではない。XMLで着飾って、Webサービスでアクセスできるようにすれば、レガシーシステムも非常に美しいものになる」と付け加える。

 古いシステムをWebサービスやSOAに対応させる方が、システムやビジネスプロセスを別のプラットフォームを使って新しく作り直すよりも、時間も経費もはるかに少なくてすむ。

 IDCのDan Kusnetzkyは「壊れていないシステムは修理しな」「システムは、人々が金切り声で文句を言い出すまでは放っておく」などのルールから成る「ITの鉄則」を編み出した。

 WebサービスやSOA(をレガシーシステムに付け加えるの)は、システムの複雑さを冗長するだけだという人もいるかもしれない。だが、これを的確に実装できれば、古いシステムを解体して別のものに置き換えるよりもはるかにシンプルなシステムが出来上がるはずだ。古いシステムについて誰も文句を言っていないのに、それをあえて新システムに置き換えるなんて論外だ。

 これに関するたった1つの問題点--しかも、大きな問題点--は、能力ある人材の確保だ。バックエンドのシステムが最高のパフォーマンスレベルで稼動し続けるようにさせられる人材を、これからも確保できるだろうか。COBOLとRPGは、大学で人気のコースでは決してない。がたぴし動くCICSエンジンを保守する役目を買って出る(あるいはおおせつかる)のと、最新のWebテクノロ

ジーを駆使するのと、人はどっちを選ぶだろうか。IBMもいろいろな業界グループも、この問題が年を追って大きくなっていくことは分かっている。早急に解決すべき問題であることは間違いない。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

SpecialPR