SOA導入のROIメリット

soa 2005-08-13 19:31:04

 SOAが素晴らしい音楽を奏でているオーケストラの一員であると仮定しよう。その場合、SOAは美しい音楽のどのパートを受け持っていることになるのだろうか。

 しばらく前に、エンタープライズ・データウェアハウスについて見識の深いBill InmonやDan Lindstedtと話をする機会があった。2人は私に、SOAプロジェクトにもぴったりあてはまるような例え話をしてくれた。

 彼らは、会社はオーケストラのようなものだと言う。たくさんのパートが互いに協力し合ってこそ、全体として良いものが出来る点が共通しているからだ。

 さて、ある会社で、SOAなどのような特定のプロジェクトが実行されたとしよう。このプロジェクトの投資利益率(ROI)は、どう測定されるべきだろうか。プロジェクト自体による成果はどれくらいで、他のプロジェクトとのシナジー効果によって生み出された成果はどれくらいなのか、どう知ったらいいのだろうか。

 組織全体を対象にした大規模なSOAプロジェクトを実施する企業は、もともと先進的なところのはずだ。だが、「向上した売上」あるいは「削減したコスト」のどちらで測るにしても、そのROIはSOAには関係ないと思われるだろう。単に的確なマネジメントが行われた結果だと、周囲は評価するかもしれない。

 Dan Lindstedtが言うように(彼自身はエンタープライズデータウェアハウスについて発言したのだが、彼の言うことはSOAにもよくあてはまるので、ここで紹介したい)、あるプロジェクトがROIにどれだけ貢献したのかを知ることは不可能に近い。大きなSOAプロジェクトに取り組んで苦労している組織はたくさんあるだろうが、それらの組織は「(大きなSOAプロジェクトと)同時に、ビジネスプロセスを整理するための他の作業でも大変な思いをしているかもしれない。こういうケースの場合、双方のプロジェクトが協力的でなかったら、それはどちらのせいなのか。会社の利益が向上したら、どちらのプロジェクトのおかげなのか。仮にこの2つのプロジェクトのどちらかが失敗したら、どういう結果になっていただろうか。これは正確には誰にも分からない」とLindstedtは言う。

 こういうケースでは、片方のプロジェクトがなかったら、もう一方のプロジェクトも成功しなかったとも考えられる。つまり、ビジネスプロセス改善の取り組みが成功しなければ、SOAプロジェクトも成功しなかったかもしれないのだ。これらのプロジェクトは「密接につながっていて、別個に考えようとするのは非常に難しい。例えばオーケストラの演奏で、『今夜はホルンの調子がいいな』とバイオリン奏者たちが感じたら、バイオリンのパートを受け持つ人たちはどう反応するだろうか。彼らは、ホルンのエネルギーを感じ取り、彼らがベストを尽くそうとしていることに影響され、『今夜は、いつになく素晴らしいエネルギーを感じるから、自分たちも少しでもうまく演奏しよう』と思うのではないだろうか」(Lindstedt)

 優れた、エネルギー溢れるマネジメントはプロジェクトを成功させる。SOAのようなプロジェクトを成功に導くためには、革新に対する情熱が欠かせない。その一方で、ROIが上がったところで、その理由を正確に特定することは難しい。オーケストラと同じように、すべてのパートが一体感を発揮してこそ素晴らしい演奏ができるのだから。

(Joe McKendrick)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

SpecialPR

  • デジタル変革か?ゲームセットか?

    デジタルを駆使する破壊的なプレーヤーの出現、既存のビジネスモデルで競争力を持つプレイヤーはデジタル活用による変革が迫られている。これを読めばデジタル変革の全体像がわかる!

  • ビジネスの継続的な成長を促す新たなITのビジョン

    多くの企業においてITに求められる役割が、「守り」のコスト削減から「攻め」のビジネス貢献へとシフトしつつある。その中でIBMが提唱する新たなビジョンEnterprise Hybrid ITとは?