アパッチ財団の新プロジェクト「Synapse」

soa 2005-09-08 20:28:01

 このところ、SOAの業界内では、エンタープライズサービスバス(ESB)の目的と利点をめぐって、いろいろな論議が交わされると同時に、混乱も起こっている。ESBは「SOAハイウェイ」に乗るための手軽な入り口だという人もいれば、邪魔な存在だという人もいる。だが、一番大きな問題は、いろいろなベンダーが提供するESBが乱立していることだ。これらのESBは、SOAの本来の目的を妨げ、

統合プロジェクト内で、余分なフェーズを発生させている。

 このややこしい状況を解決するために、Apache Software Foundationは、プロジェクトSynapseを発表した。このプロジェクトは、オープンソースのESBを作成するためのもので、支持者たちは、このプロジェクトが、仲介フレームワークを必要とするSOAの標準化を促進し、ベンダーがそれらを実現する製品群を提供するようになるものと期待している。

 Synapseプロジェクトで積極的に活動しているInfravioのMiko Matsumuraに、ESBに対する懸念や反発を、Synapseがどのようにして軽減できるのか尋ねてみた(InfravioはSynapseにコードを提供している)。彼によると、SynapseはESBと似た機能を多く備えてはいるが、同プロジェクトでは「ESB」や「ブローカー」という名称の使用を避けることにしたという。

 Matsumuraは、「(Synapseは)完全に機能するWebサービスの仲介役をするものだが、これをESBと呼ぶことは避けた。われわれは、あまりにも多くの企業が『これはESBだ』といって製品を出していることに問題を感じている。あれもこれも、どれでもESBだというのであれば、一体それらの共通点は何なのか、なぜみんなそれがESBだと呼べるのか、ということになる。(Apache Synapseでは)こういう名称の問題を避けるため、もっと中立的な用語を使うことにした。『ブローカー』というのではちょっと含みがあるし、『ESB』というのは硬くてごつごつした感じがする。『仲介役』というのが、もっとも政治的な色合いの薄い用語のように思われる」

 このプロジェクトを率いる新興企業WSO2の創業者たちは、Apacheプロジェクトに深く関わってきた人物だ。Synapseを支援している、あるいはコードを提供しているベンダーにはInfravioのほか、Blue Titan、Iona、Sonic Softwareなど、ESB業界のトップ企業がある。

 Synapseは、Apache Axisツールキットと連携して、SOA内部での仲介役として機能するようにも設計されている。「こういう仲介機能は、WSDL、WS?Addressing、WS-Policy、WS-Security、WS-RealiableMessagingなどを利用したコアなWebサービスと連携するように設計されている。将来のWebサービスには必ずSynapseが存在するようになる」とMatsumuraは述べる。

 仲介役の仕事は、「(サービス提供者と消費者との)間に立って、3つの基本的な機能を果たすことだ。1つはダイナミックなロードバランシングとルーティングだ。これは、粗結合のパラダイムに結びついている」とMatsumuraは付け加える。2つ目の役目はデータ変換で、3つ目はシステム管理だ。「仲介役を使わなければ、基本的には、SOAではなく、ただポイントツーポイントのWebサービスを行っているだけだ。SOAを行うには、自分のサービスの概要を把握していて、レジストリやポリシーを利用してそれらのサービスを再利用できるようにしなければならない。仲介役というのは、問題を解決するための重要な部品なのだ」(Matsumura)

 GartnerのアナリストもSynapseに注目しており、Synapseテクノロジーが現場で使えるようになるのは2006年になりそうだと述べている。Gartnerでは次のように分析している。「Synapseの製品群は、初めのうちは、パートナー企業が独自の機能を拡張したり、『閉じられた』製品と統合したりできる、埋め込み可能なコアのESBを提供したりすることを目標にしている。Apache Software Foundationが関係していることで、このプロジェクトの信用度は増すだろうが、それぞれ異なった意向を持つベンダーが協力して同じプラットフォームを作り上げるためには、Synapseの前にはたくさんの試練が待ち受けている」

(Joe McKendrick)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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