開発者の本分は「開発」にあり――危うし? SOAの「再利用」概念

soa 2006-09-11 16:52:59

 GartnerのリサーチバイスプレジデントPaolo Malinverno氏によると、適切なガバナンスの伴わないSOAは成功しないという。ガバナンスが存在しないと、開発者はコードを再利用するというSOAの信条を無視するようになるからだ。「ComputerWeekly」に、Malinverno氏がSAPのカンファレンスで行った講演内容が引用されている。同氏いわく、開発者にSOAを修正する権限を与えるべきではない。コードを再利用する代わりに、「開発者がサービスを変更することは絶対あってはならない」(Malinverno氏)というのだ。

 Malinverno氏は、開発者の仕事を否定しているわけではなく、開発者はSOAにおけるコードの再利用および共有の必要性を判断する立場にはいないと説いているのである。開発者はなるべく多くのコードを生み出すことで報酬を得ているのであり、実際に彼らの生産性は記述したコードの量で測られてきた。実際のプログラミングに長い時間をかけずとも、再利用可能なサービスを活用することでアプリケーションをすぐに開発できるのならば、経営者は開発者を雇用し続ける必要はないと判断し、彼らを解雇することだろう。

 こうした背景から、SOAの最大の利点と考えられているコードの再利用および共有という概念は、ないがしろにされる危険性がある。こうした問題に関しては、.NETの第一人者であるDavid Chappell氏とも、つい先日話し合ったばかりだ。

 SOAが成功しない原因を、開発者に押しつけるのはやめにしてほしい。問題は常に、企業文化が抱える病理とまずい経営戦略にあるのだから。すぐれた企業ガバナンスは、確かにすぐれたSOAガバナンスにつながる。だが、厳格なSOAガバナンス体制を敷いたからといって、今はもう時代遅れとなった、企業のインセンティブ重視傾向を払拭できるとは思えないのだ。

(Joe McKendrick)

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