反サービス指向アーキテクチャからの脱却

soa 2007-05-24 16:51:58

 「ebizQ」サイトで記事を書いているElizabeth Book氏が、今日の企業において発展しつつあるアーキテクチャの大部分が「反サービス指向アーキテクチャ(Service Averse Architectures:SAA)」であると述べた。

 5月初旬に開催された「InfoWorld SOA Executive Forum」で基調講演を行ったAnne Thomas Manes氏も、SAAこそが現実の姿だと述べ、Book氏と同様の見解を示した。

 SAAとは、次のようなアーキテクチャを指している。

  • まず初めに利用者と話し合うことをせずに構築されている。

  • 信頼性が低い、もしくは約束された成果を出せない。

  • 融通が利かず複雑であるため、ユーザーが気軽に利用できない。

  • データが破損していたり、改ざんされていたり、紛失や盗難によって一部が失われていたりするなど、安全性が非常に低い。

  • 実現できるはずのサービスとは反対のものを提供する。

 SAAから脱却し、ほんとうにサービスを指向するタイプのアーキテクチャを構築するには、組織は何をすればよいのだろうか。

 この場合に考えられうる対策は、ダイエットでたとえるなら、「バランスのよい食事」「十分な運動」「悪習慣の撤廃」だ。

 先日、Manes氏およびBook氏とともにポッドキャスト放送に参加し、企業のアーキテクチャがSOAではなくSAAに陥ってしまうのはなぜなのかを話し合った。

 こうした状況にはまってしまった組織の問題の根源は、彼らが組織全体ではなくプロジェクトごとでSOAをとらえているところにある。Manes氏は、「SOAのコンセプトや原理は、ありとあらゆるプロジェクトにおいて適用することができる。だが、これをプロジェクト別に実施するのでは、SOAのほんとうの価値は得られない。組織的な取り組みとしてではなく、プロジェクトごとの取り組みとしてSOAを扱った場合、アーキテクチャは反サービス指向的になってしまう」と話した。

 「少しずつ価値を増していくのは、必ずしも悪いこととは言えない。だが、サービスの指向性を劇的に高めたいなら、IT環境における冗長性を廃し、統合しなければならないシステムの数を減らさなければならないのだ。それには、プロジェクト横断的な視野に立ってプライオリティを確定し、はじめにすべきことを知る必要がある」(Manes氏)

 とはいえ、すべてのIT部門もしくは企業で、SOAにとって必要であったり、あるいはSOAがもたらすそうした変化に適応できる体制が整っているわけではない。健康になるためにはライフスタイルを変えざるをえないのと同じく、企業や企業のIT部門も、SOAをうまく活用できるように企業風土を変えなければならないと、Manes氏は指摘した。「SOAは企業のライフスタイルのようなものだと思う。みずからのシステムをより機敏に、より柔軟に変えたいならば、今までとはまったく違う考え方をしなければいけない」(Manes氏)

 ライフスタイルを一新する第一歩として、技術的なニーズではなく経営的なニーズに注目してみよう。「企業内のさまざまな人々と協働し、自分たちの企業の実体を理解することが大切だ。企業として達成すべき事柄がつかめれば、それをITがどうサポートできるかもわかってくる」(Manes氏)

(Joe McKendrick)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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