「SOAの導入=IT部門の整理縮小」は真実か?

soa 2007-09-06 20:23:57

 スキル不足がSOAの導入を妨げている一方で、SOAによって仕事が奪われるかもしれないという恐怖が存在している現状は、ビジネス界における21世紀最大のパラドックスの1つだ。

 「SearchWebServices」ウェブサイトのRich Seeley氏によれば、最近のOMG SOA Consortiumのポッドキャストで、SOAが開発者職に脅威を与える可能性があるというトピックが話し合われたという。例えばIBMのFill Bowen氏は、「一部の企業では、SOAの採用はすなわち部門の整理縮小を意味するようになっている」と語った。

 複数の部門が関与している複数の開発チームを持つ大企業は、開発プロジェクトを統合し、共有可能なサービスを1つにまとめる方法として、SOAをとらえている。確かにSOAのそうした特長は、これまでもベンダーやコンサルタントが繰り返し喧伝してきた。その結果、手の空いた開発者は「より価値の高い」ビジネス業務に集中できるという常套句のおまけ付きで。

 SOAの知識がそれほどない企業なら、SOAを採用すればとにもかくにもコスト削減がかなうと思いこみかねない(実際にはそんな企業は少ない…はずだ)。

 ZapThinkのRon Schmelzer氏は、開発者がSOAに恐怖を感じるのは十分な理由があってのことだと指摘している。「SOAというムーブメントは、技術的なものではなく、構造的なものだ。したがって、新しい何かを開発もしくは構築するスキルしか持たない技術者は、常に変化し続ける異種混合環境の中、高い再利用性と祖結合性が求められる体制の下では、非常に不利な立場に立つことになる」(Schmelzer氏)

 IT部門がSOA導入に反対する根本的な理由は、こうしたところにあるのではないか。IBMのBowen氏は、各チームが互いに協力し合ってSOAに取り組むことで、不安を解消できると話している。「ガバナンスを確立しようとするときは、早い時期にたっぷりと話し合いをして、次のような前提を互いに確かめ合っておくのがよいだろう。『仕事がなくなることはない。変化はあるかもしれないが、失われることはない。それはSOAの目的ではないからだ。SOAは、IT部門を縮小するためではなく、IT部門の生産性を向上させるために導入するのだ』」(Bowen氏)

 Schmelzer氏はもっと能動的なアプローチを推奨しており、開発者もみずからのアーキテクチャ関連スキルを向上させるべきだと主張している。「アーキテクチャの専門家や技術者は、驚くほど足りていない。開発スキルが徐々に求められなくなっていくなら、アーキテクチャ関連スキルに対する需要は反対にじわじわと高まっていくだろう」(Schmelzer氏)

 SOAを導入する目的はソフトウェア開発の自動化および産業化であるため、開発という仕事の多くはスタイルを変えて行かざるをえない。だが、歴史上の自動化および産業化の例を見てもわかるとおり、それは新たなチャンスを生み出すものでもあるのである。

(Joe McKendrick)

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